その少女、国造りに奔走する
-第47話-
―翌日―
廉夜は一人で街中を歩いていた。
『左近、どっち?』
「次を左です」
影の中からの声を頼りに、道を歩く。
『妖魔と言っても、さすが狼だよね』
「恐れ入ります」
廉夜は昨日の少年を探していた。
左近に匂いを追ってもらいながら。
「しかし、何故あの少年を?」
『彼には悪いけど、ああいう子に話を聞くのが一番だと思うの』
いい思いをしている人、裕福な人に話を聞いてもたいして参考にはならない。
そう思い、廉夜は少年を探す事にした。
『それに、歳が近そうだし』
「確かに……大人に話は聞きづらいですな……次、右です」
『ありがとう』
影に向かって小声で礼を言い、廉夜は角を曲がった。
その少女、追跡.