その少女、国造りに奔走する
-第44話-
「突然、すまない。元就公」
「良い、何用だ」
爽やかな雰囲気を漂わせる三河王、徳川家康。
「元就公は、摂津の新王と知り合いらしいな…」
三河王の一言に、元就は眉を動かした。
「だったら何だ」
「どんな、人かと思ってな…」
「………そうだな、先王とは正反対よ」
「正反対…」
「少なくとも、民をないがしろにはせん」
「そう、か…」
家康は、なにやら安心したように顔を綻ばせた。
「真面目で優しい奴よ、貴様が案ずる事はなかろう」
「………」
「なんだ」
「いや、元就公もそのような事を言うのだな」
「どういう意味だ」
その青年、
瀬戸内王を訪ねる.