その少女、国造りに奔走する
-第43話-
「………」
瀬戸内の王宮、元就は文を読んでいた。
「廉夜、なんだって?」
そんな彼の背後から、紙を除き混む麒麟。
「しばらくの間、廉夜がこちらに勉強に来ている事にして欲しいとの事だ」
「なんだそりゃ……本当はどこにいるんだ?」
「城下で民の様子を見ているらしい」
「摂津はまだまだ妖魔も出るだろ……大丈夫なのか?」
「使令は付けているようだが…」
ふぅ、と一つため息。
「真面目な奴故、国の現状を知りたいと言い出したのであろう…」
「まぁ、何かあったら俺達が駆け付けてやりゃあいいさ………だろ?」
「ふん……そう、だな」
「主上、家康さんが来てますよ」
「何だと…?」
ひょこりと現れた鶴姫。
彼女の言葉に、元就は眉間に皺を寄せた。
瀬戸内王、
少女を案じる.