その少女、国造りに奔走する
-第42話-
―翌日―
廉夜は孫市の家の屋根にいた。
「主上、」
『大丈夫。私、こういうの得意だから。前はよくやってたんだよ』
何をしようとしているかというと、屋根の修理だ。
危険だと言う左近を気にせず、廉夜はトンカチを手に取る。
親戚宅では、家事はもちろん、雑用も手伝っていたと話す廉夜。
『自分で言うのもなんだけど、わりと器用なんだから』
そう言いながら手を動かし、修理に取りかかる。
人に見られては大変なので、影に潜んだままの左近。
しかし、廉夜が気になって仕方がないようだ。
『それに、こうやって……誰かのために何かをするのは好きなんだよ』
手を動かしながら、楽しそうに話す廉夜に、左近は何も言えなくなった。
その少女、屋根修理.