その少女、国造りに奔走する
-第39話-
「ここだ」
連れて来られた孫市の家。
大きくはないが、小さくもない普通の家。
『お邪魔、します』
孫市に続き中に入ると、
「孫市、仕事だったのか?」
背の高い男が奥から出てきた。
「あれ?その子は?」
「廉夜だ。訳あって、しばらくうちに泊まる」
「そうなんだ」
「ところで、何故いる」
「用があって、こっちに来たんだ。それで、孫市元気かなって…」
「前にも言ったが、勝手に入るな」
『あの…』
話を進める二人に、戸惑いながらも廉夜は声をかけた。
「あぁ、悪い。廉夜ちゃん、だっけ?俺は慶次。気軽に慶ちゃんでいいから」
『慶ちゃん……よろしく』
「よろしく」
杖身宅にて、遭遇.