その少女、国造りに奔走する



-第29話-



 
即位式から数日、廉夜は政務に没頭していた。

まだまだわからない事が多いが、少しずつ仕事に手を出し始めていた。

そんな時――


―――カタンッ


窓の方から小さな音が。

『ん?』

窓に目を向けるが、特に変化は見られない。

『鳥…かな?』

そう思い、窓に近付くと、

「あんたが、queenか?」

『……は?』

窓から男が入ってきた。

『誰…?』

「Ahー、俺は―――」

「何の用だ、伊達政宗」

荒々しく扉を開き、三成が現れた。

『伊達…?』

聞き覚えのある名前に、廉夜は首を傾げる。

「奥州王だ。……王でなかったら使令を差し向けるところだ」

「物騒だな…」

「当然だろう。文もなし……しかも、窓から侵入とは……」

「文なんか出したら、小十郎に見付かるじゃねぇか」

「また政務を放って来たのか…」

『奥州王……』

「麒麟にも告げずにやって来るとはな……」

「言えるわけねぇだろ…」

苦笑する奥州王、呆れる三成。

『………』

口論する三成達の横、廉夜は奥州王の予想外の訪問に戸惑っていた。



奥州王、
麒麟から逃げてくる







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