その少女、国造りに奔走する



-第23話-



 
ごたついていた王宮内も、徐々に静まっていった。

麒麟に選ばれたあの日から忙しく、すぐに寝付いていた廉夜。

しかし、落ち着いて改めて見回すと、王に充てられた部屋はとても豪華で広かった。

今まで普通の家で暮らしてきた。
部屋だけでなく、寝台も大きいために落ち着かない。

『……眠れない…』

床に就いてからしばらくたつが、眠気は一向にやって来ない。

『………誰か…』

――起きてないかな…

その呟きを消し去るように、扉の開く音が響いた。

『三成、』

現れたのは己が麒麟。

「………眠れないのか?」

廉夜の様子に気付いた三成は、寝台に近寄る。

『今までは忙しかったから、すぐに眠れたけど……改めて見てみると、広すぎて落ち着かないの……』

苦笑を浮かべる廉夜の横に腰を下ろし、三成は廉夜の肩に触れた。
そのまま、ゆっくり彼女の身体を倒す。
そして、仰向けになった廉夜の瞼を覆うように手を乗せた。

『……三成?』

「黙れ」

『………』



しばらくして、規則正しい呼吸が聞こえ始め、三成はそっと手を離した。

それと同時に現れる使令。

「台輔、冢宰が呼んでます」

「静かにしろ、今行く」

廉夜の頭を一撫でし、三成は部屋を出ていった。



その麒麟、
主を寝付かせる







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テーマ「人外ファンタジー」
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