その少女、国造りに奔走する
-第20話-
『………』
玉座、大きな椅子に凭れて、廉夜は膝を抱えて俯いていた。
「主上、如何した?」
兵も下がらせ、静まり返る王宮。
俯く廉夜に、大谷は近寄る。
『……貴方が…冢宰?』
「いかにも。我は大谷吉継。玉座を奪還したというのに、何を項垂れておる?」
『……私、ダメだなぁと思って…』
「ダメ、とは?」
『いろいろ考えてたんだよ。でも、剣を向けられたら頭が真っ白になっちゃって……三成が来てくれなかったら……』
「三成の使令がいたであろ?」
『自分でなんとかしなきゃと思って、下がってもらってたの』
「ふむ……」
それきり、廉夜は黙り込んでしまった。
「主上はダメではなかろ」
『え?』
「ダメな者は己がダメという事に気付かぬ。己をダメと言えるならば、主上はダメではなかろ」
そう言って、大谷は廉夜の頭を撫でた。
『ありがとう、吉継さん』
「……名前で呼ばれるのは新鮮よ」
その冢宰、励ます.