その少女、国造りに奔走する
-第17話-
「そこから離れてくれないか?お前さんだって、痛い目にはあいたくないだろ?」
『………』
「そいつは小生の椅子だ」
『え?』
左将軍の言葉に、廉夜は目を見開いた。
それと同時に、何とも言えない思いが込み上げてくる。
『麒麟は、貴方に頭を下げたの?』
「お前さん、何を……」
『貴方は“許す”と言ったの?』
「………」
男は黙る。
『どちらもないでしょう?』
「だが、このままでは国が終わるぞ。だから、小生が…」
『あくまで、国を思っての事と?』
「あぁ…」
頷く男。
『では、左将軍。これからは私に従って下さい』
「なんだと…?」
『台輔は私に従う』
少女の一言に、今度は男が目を見開いた。
その将軍、言葉を失う.