その少女、国造りに奔走する
-第16話-
「……困ったコマッタ…」
冢宰、大谷吉継は呟いた。
静かな牢に、彼の声は響く。
血と穢れに弱い友人を思い、抵抗しなかったら捕まってしまった。
「さて、どうするか……」
牢の中で、うんうんと考えていると―――
「大谷、生きているか?」
「………」
予想外の人物の登場に、大谷は驚く。
「………ぬしに助けられるとはなぁ…」
独特の笑い声を出しながら、大谷はするりと牢から出た。
「新王の願いを聞き入れ、王師を貸したまでのことよ」
「新王……そうか、三成……見付けたか…」
「早よう行くぞ。あの娘は放っておいたら何をするかわからぬ」
廉夜が心配らしい、元就は大谷を急かす。
「娘…?女王か…」
女王ということにも驚きながら、大谷は元就を追った。
その冢宰、救出.