その少女、国造りに奔走する
-第15話-
「そこの扉でございます」
左近が兵を蹴散らしたお陰で、廉夜は無傷で辿り着けた。
重い扉を開けると、目に入るは玉座。
『………』
中に入ると、誰もいないのか、静まり返っている。
『左近、私がいいと言うまで……あるいは、私が本当に危なくなるまで、隠れてて欲しいの』
「しかし――」
『命令』
「………」
王に“命令”と言われれば従うしかない。
左近は影へと消えた。
『これが、玉座』
玉座をぺたぺたと触りながら呟く。
「お前さん、何をしてるんだ?」
扉が開く音と共に、響く男の声。
『あなたが、禁軍左将軍?』
「だったら何だ。お前さんは…毛利んとこの使いか?」
男はニヤリ笑う。
扉が閉まる音が響いた。
その少女、
将軍と対面する.