その少女、国造りに奔走する
-第13話-
『………』
摂津国上空。
騎獣に跨がり、荒廃した地に目を向ける。
「廉夜、しっかり捕まっておれ」
『へ?』
言われたとおり元就の背中にしがみつきながら、前方を見ると、兵が。
「勅命を持って命ずる」
元就の声が響いた。
「摂津国女王を玉座までお連れする。向かってくる者は殺さず捕らえよ」
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廉夜の願い、それは―――
『王師をお貸し頂けますか?』
「………」
『麒麟に選ばれた以上、国を守りたいのです』
「………」
『陛下、』
「………やめよ」
『………』
「普通にせよ。敬語を使うなら王師は貸さぬぞ」
『え…』
「準備をいたせ。行くぞ」
『………ありがとう、兄さん』
瀬戸内王、出陣.