その少女、国造りに奔走する
-第12話-
『左将軍って、どんな人?』
「すごく運の悪い人です」
『運が悪いって…』
聞きたいのはそうじゃない。
「おのれっ……官兵衛ぇぇ…」
『………』
三成に目を向けるが、とても聞けそうにない。
『(麒麟が怒りで震えてるよ…)』
仁の生き物であるはずだが…。
「摂津は問題ばかりだな…」
元就は溜め息を吐きながら呟いた。
『………』
麒麟に選ばれた廉夜、これから王座に着くというのに、国ではさっそく問題が起きている。
『………』
「廉夜?」
まっすぐに元就を見て、廉夜は左手を握る。
その手を包むように右手を添え重ね、手を上げるようにして一礼。
『陛下、お願いがございます』
その少女、拱手.