その少女、国造りに奔走する
-第11話-
「……そうか…」
やっと落ち着き、茶を飲みながら説明。
『……うん……きっと、もう…前みたいに気軽に会えないだろうから、挨拶したいなって……』
少し悲しそうに笑う廉夜に、元就も複雑そうな顔をする。
―――カタンッ
共に茶を飲んでいた三成が、ふいに立ち上がった。
『どうしたの?』
「使令が、」
窓の外を覗くと、大きな黒い狼。
「何かあったのか?」
「台輔、大事にございます」
深刻そうな、狼の声が静かに響く。
「禁軍左将軍が、宮を乗っ取りました」
「なんっ…だと……」
『左将軍…?』
「あ、あの運の悪い将軍さんですね」
『運悪い?!』
「ふん、あの黒田に乗っ取られるとは……」
『え?』
運が悪いと言う鶴姫、鼻で笑う元就。
首を傾げる廉夜だった。
その将軍、
宮を乗っ取る.