その少女、国造りに奔走する
-第10話-
「入りますよ〜……って、廉夜ちゃん!」
『鶴ちゃん!』
部屋にやって来たのは、大宗伯、鶴姫。
廉夜は元就との繋がりから、王宮の者とも多少知り合いだったりする。
特に、彼女とは仲が良い。
「あれ?三成さん?」
睨み合う元就と三成を見て、鶴姫は驚く。
『実は……さぁ……』
苦笑を浮かべながら、廉夜は説明をした。
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「なんと……!廉夜ちゃんが新しい、王様……」
「びっくりだよな〜」
そう言いながら、元親は廉夜の頭を撫でくり回す。
「ちょっと台輔!力強すぎじゃないですか?!」
「なんだよ!たいした事ないだろ?」
「廉夜ちゃんが首を痛めたらどうするんですか?!」
『ちょっと、二人とも……』
一人取り残された廉夜。
「うぅっ……主上!台輔がいじめます〜」
「いじめてねぇ!」
「うるさいぞ、鶴」
『………』
元就と三成は睨み合い、元親と鶴姫は言い合い。
そんな四人を見つめながら、ため息を吐く廉夜だった。
瀬戸内王宮にて、
一騒動.