『なんか不気味な物があるんだけど』
洞窟にはなにやら気味の悪い塊が。
「あれは、ギギネブラの卵塊だな」
『ギギ…』
「毒怪竜ギギネブラ。子をギィギという」
『………元就は物知りだね』
「貴様が知らなすぎなのだ。馬鹿者め」
バカって言われた。
僕、雇い主なのに…。
「旦那さん、なんかヒルみたいなのが出てきたぞ」
『うわぁ……』
「ふ化したな。あまり近付くでない。噛み付かれたら血を吸い取られ―――」
『ひゃぁあああっ!!』
「……遅かったか…」
僕に飛びかかってきたギィギは、腕に噛み付いたまま血を吸っている。
そんなに痛くはない。
痛くはないけど……。
気持ち悪い。
『取って!!元就、取って!!』
「寄るでないわっ!!気色悪いっ!!」
『酷いっ!!』
僕とオトモとギィギ
旦那さん、大丈夫か?
……ありがとう。
………フン。
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