博士とコウモリ


月明かりをたよりにレイニーデイズに手を引かれ歩いていた。

「オルガさんは噂でしか聞いたことがないのですが…
とても博識で…でも更に知識を追究する方なんでしょう?
是非会ってお話を聞いてみたい。
オルガさんはどんな方ですか?」

レイニーデイズは他の魔女から追われJEMMYに逃げ込んできたので、
オルガと面識がなかった。

「ツンツンしててねぇ。プライドか高くて、
なんでも自分の目で見て確かめないと気がすまない変なヤ……ツ…で…」

オルガの性格からして死んだ者が核から生き返る、
そんな貴重な瞬間を見たくないわけが…ない。

「レイニーデイズごめん…」

繋がれていた手を振りほどき俺は黒い煙に紛れ、
誰よりも先にビスケットの家に向かう。

そうだ、オルガは絶対に俺に協力するはずだ。
夜々の瞳の在りかは心臓を引きずり出しながらでもドクロの口から聞き出してやる。



その頃取り残された博士は…。

「余計なことを言ってしまった…私は…何をしているんだ…」

べっこべこにヘコんでいた。

「あっえっ?!はっ博士!?
ちょうど良かった!ノバリとドクロを見なかった?
それか朗朗!!」

息を切らして走ってきたショコラは真剣そのもの。

「たった今、朗朗が消えました…私が余計なことを言ってしまって…
オルガさんに会いに行ったんだと思います…」

「マズイな…。オルガは多分ドクロが来るまでビスケットの庭にいると思うから…
朗朗は多分庭へ行ったか。
つーことはノバリは墓へ行ったはずだから…まだ鉢合わせはしないか…」

ブツブツと考えごとをしていたようだが、
それがまとまったのか博士に向かって早口で捲し立て、一刻の猶予もないことが伺えた。

「博士!コレ朗朗の弟の目玉!持ってて!
あと…………」


ショコラは目玉が入っているであろう青いビロードの小さな巾着を渡した。

そしてショコラは博士にこれから絶対に実行し失敗は許されない計画を告げた。

「あの二人…勢いのまま策も無しにラルの森から走って行っちゃうから、
オレがこんな目にあうんだよなぁ〜」

お疲れなショコラはボヤきながらも、
博士と庭へ急いだ。





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