ドクロの左胸


「レイニーデイズ、魔王に会えば必ず殺される。
お前が考えてるような話の通じる人物じゃない。
だから誰にも見つからない内に大人しく帰ってくれ。
お前が死んだら争いをやめようと思う者がいなくなる…」

オレは何をしているんだろうか…。
あの時助けられなかった二人をこの魔女に重ねているのか?

「そうですか…さすがに単身乗り込んできたのは無理がありましたよね…」

肩を落とすレイニーデイズ。
オレはふと魔女は博識な者が多いと聞いたのを思い出した。
この球体について知っているかもしれない。

「なぁ、これのことについて知ってることがあるか?」

球体を取りだし事の説明をした。
興味深そうに熱心に話を聞いていたレイニーデイズは言った。

「実物を見たのは初めてです…。
悪魔や魔女が生まれる昔に雷の国の神様が、
この球体…核の研究をしていたと記述で読んだことがあります…。
光が弱まっているのは核の力が失われてきいるのかもしれません…」

「どうすればいいんだ…これはこれだけ失いたくないんだ」

希望への突破口が欲しい。
二人の魂を消したくはない。

「あなたの心臓に埋め込めば光は失われていかないと…思います。
核は心臓にあってしかるべきものですから」

「レイニーデイズ…出来るか?今すぐに」

どんな苦痛でも受け入れよう。
その覚悟と責任はオレにもあるのだから。

「上の服を脱いでください。
核を埋め込みます…
ですが今から行うこと…これは呪いです。
ドクロへの不利益な効果があらわれるかも…しれません」

「承知のうえだ。お前を責めたりはしない」


そして呪いはオレの左胸に刻まれた。






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