好奇心


時間は少し戻ってドクロが息を切らしてやって来る前のキコリーズ宅。


「そう、ご名ー答ー。面白そうでしょー。
ここに入れた核だから
きっと凄いんじゃないかなぁ?
ショコラとポルカみたいに」


朗朗はショコラをじっと見つめ、視線を外しポルカを見る。


「うげっ!こっち見ないでくれる!」

プンスカ怒るポルカを尻目にショコラが話しかける。


「朗朗やっぱりそーとーだよね、だからオレ嫌いよ」

心底うんざりした顔で朗朗を見るショコラ。


「嫌われても好かれても 俺は全然興味無いの。
でもねぇ。
さっきノバリが、お土産に会って [ぼくにちょうだい]って言ったから
…あげちゃった」


その言葉に目の色が変わったのは ドクロだった。


「…ほんと。 いい加減にしてくれない? 」


「あっ怒ったー? その顔が見たかったんだよー」

ケラケラ笑う朗朗。


「でもさ。 ボク達の核はそうだったけど…
お土産の核は…博士と同じってことでしょ?
だったら…」


ポルカが思ったことを口にしていたら、ショコラから止められた。


「朗朗は分かってやってんの、そーゆー奴でしょ」


ショコラはポルカに耳打ちする。


「お前なんて相手にしてらんない。
オレ、ビスケットん所行ってくるわ。
お土産はお前に返すから」


朗朗に背を向け裏庭から出て行こうとした時に、朗朗が言った。


「お土産は人間だから朝・昼・夜
エサあげないと死んじゃうからねー。
それだけは忘れないでー」


それを聞いて何も言わずにドクロはその場を去った。


ドクロが去った裏庭。
朗朗はまだ居座っていた。


「ドクロがお土産返しに来たら、
朗朗どうするの?」

ポルカが朗朗に質問した。

朗朗は、
そーねー。
と顎をさすりながら、別に何も考えていなさそうな感じで言った。


「その時は船の乗組員にするか…
また売り飛ばすか…どっちかだね」


「一応乗組員にするのも考えてるんだね」
ポルカは案外良い所もあるのかもしれないと思っていたら、


「ポルカ、騙されんな。
ノバリがほしいって言ったんだ。
ノバリがドクロにお土産渡すワケないじゃん。
どーせそこまで考えてるんでしょ」

ショコラは朗朗を見て言い放った。


「そーだよねぇ。ノバリあー見えて頑固だから」

朗朗はニヤニヤ笑いながら言った。


「………」

やっぱり朗朗には悪い所しかないや。
と思うポルカだった。


「ドクロもいないし。
俺、別の用事があるから行くわ」

うーんと伸びをしながら、
俺、意外と忙しいんだよねー!と言っていた。

さっさと帰れと心の中で思っているキコリの2人。


「ホントにちゃんとエサあげてよね。
絶対だからね!あとお土産はメスだから、ちゃん付けしてねー」


そう言い残し朗朗は黒い煙りとともに消えた。


「これでやっと静かになった」

ため息をつきながらショコラは
初めに座っていた丸太に腰掛けた。


「朗朗はさ、なんでドクロの嫌がることばっかするのかな?」

ポルカは薪割りを開始しながらショコラに尋ねた。


「ドクロが好きだからじゃないの?
…それかノバリが嫌いか。
朗朗嫌いだから知らないけど」

ショコラは朗朗のことを考えるのも面倒なようだ。


「そう…考えてもしかたないね」


そう思ったポルカは、
朗朗の持ってきたお土産ちゃんを
見てみたくなった。




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