ともだち


ガチャ。
庭にある家の勝手口が開いた。


「IQありがとう。お茶入れたから休憩にしよ…
あらら、ノバリも来てたの?」

中から出て来たのは、あざやかな赤い髪を後ろにしばって結構背の高い人。
笑い顔がとても綺麗だ。
この庭の主だろうと思った。

その人は、お盆に乗せたお茶と菓子を持って
私とノバリが座っている木製のテーブルの側に歩みよる。


「ノバリの隣りは初めて見る顔だけど…
お友達ですか?
じゃあお茶あと2つ用意しないとね」

と言いながら持って来たお菓子とお茶を置いて、また家の中に戻って行った。


「…ともだち?」

私は思わずポツリと呟いた。
ともだちってなんだろう。


「ねぇ、ともだちって何?」

ノバリは目を見開いて一言。


「しらないの?!手を繋ぐことだよ」


「何か違うと思うけど。…的はずしてる気がする」

と横からIQが作業を止め声を挟む。


「うそだー。「ともだち」とは、
仲良しで手を繋ぐ相手のこと」

えへん。とノバリはしたり顔。


「うーん。手繋がないとダメなの?ともだちの定義狭くない?」

なんだか納得いかない風のIQ。


「手を繋いだほうが伝わるよ。ね?さっきも今も伝わってるでしょ?」

ノバリは笑顔で私を見て同意をうながす。


「いや…なにが伝わるのか…ぜんぜん」


「なぬ」


「ほら見ろ。
友達ってのは、いつも一緒にいて楽しいことも、悲しいことも、嫌なことも分かち合う仲間のことだ…と俺は思う」

そして寿命も分け合う。
IQが言った後。
ノバリも納得して頷いていた。

…寿命も?
そんな話をしてたら追加のお茶を持って庭の主が戻ってきた。


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