私の名前はリビー・オルブライト
このクマのヌイグルミは友達のフォルカー。
今日はいつもの公園にお別れを言いに来たのだけれど。
ブランコに座っている金髪の男の子が、大粒の涙をこぼしながら泣いていた。

AM10:08

「ねぇ、なんで泣いてるの?なにが悲しいの?」

泣いている彼の目の前までいって尋ねた。

「何で??わかんない」

分からないのに泣いてるの?困ったなぁ。
どうしたら泣きやむのかな?
私は腕の中に抱えているクマのフォルカーに心の中で、助けをもとめた。

「あっ、あのね。この子フォルカーって言う名前なの。
この子といると、一人でも淋しくないんだよ!
だからあげる!」

大丈夫。フォルカーもいいって言ってるから。
と彼に無理矢理渡した。

「嬉しいけど、もらえないよ。。
大切なものなんでしょ?」

「じゃあ、あなたの襟に結んでるリボンと交換にしよ」

「このリボン?」

「うん」

彼はリボンをほどいて、私にくれた。

「綺麗な色のリボンだね」

ベロアの青いリボンだった。

「うん、サンディーがくれたんだ」

「サンディー?」

「双子のね、お姉ちゃん」

「姉弟がいるんだね…」

「君はいないの?」

「私、一人っ子なの」

ぐすん ぐすん

「どうしたの?」

「私ね、今日よその町に引っ越すの。だから公園にお別れしに来たの」

彼はさっきの青いリボンを借してと手を出したので、リボンを渡す。

それを膝の上に乗せてるフォルカーの首に蝶々結びをした。

「これでよし。僕にはサンディーがいるから大丈夫。
君はフォルカーと離れちゃだめだよ」

そう言って彼はフォルカーを私の腕の中に戻してくれた。

「君とパートナーが元気でありますように」

彼は私とフォルカーの頬に、それぞれキスを一つ。

「ありがとう。また会えますように」

とは私は彼にキスを返した。

TOP
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -