俺がやった転性の紅茶にまんまと引っ掛かったIQのおっぱいを揉んで満足し、
取り敢えず船に戻って一週間後Jemmyに行くと、
なぜか全員女になってて、
あ、一人は男に。

あいつら本当バカだよなって大笑いした後の話。

ビスケットの庭にて。


「朗朗が来る時はなぜが誰も来ませんね」

苦笑いをしながらビスケットが、
ちょうど焼き上がった出来たてのクッキーと紅茶をテーブルに置いた。
俺はまだ少し熱を持っているクッキーを頬張る。


「まぁ、俺、嫌われてるしね」

何でもない風に言うとビスケットは、


「嫌われるようなことをするからですよ」

といつも通りの正論をかましてくる。
俺の前の席に着いたビスケットは、
いい香りの立つ琥珀色の紅茶をカップに注ぐ。


「あ〜!ビスケットォ〜。
その手には引っかからないよ。
今度は俺を女にするつもりだな」

紅茶を見てピンと来た俺。
昔から勘で生きてきたようなもんだからな。
ドクロの差し金か…?
この前の仕返しをするつもりだな。
あいつら本当にバカで面白すぎる。
俺が自分の策にハマるワケねーだろ。


「ぷっぷーっ!お見通しなんだよーだ」

そう笑った俺に変化。
一瞬凄まじい早さで背中に走る悪寒。
そして怒涛のごどくやって来た寒気。
あれ?何だこれなんだこれ!?


「クッキーの生地に混ぜて焼いて朗朗が来たら食べさせてくれって頼まれていたんです。
そしたら朗朗がちょうどいい時に来たので良かったと思っていたんですよ」

ビスケットは変わらぬ笑顔で右手に紫色の液体の入った、
どう見ても毒だろ?って小瓶を俺に見せた。
小瓶に白いラベルが貼ってあるが、
如何せん文字が小さ過ぎて、
ここからでは見えない、
いや、目が霞んできているみたいだ。


「ビスケット…瓶に何て書いてあるの?」


「ああ、これですか?
目にモノみせてやるbyショコラ。
ですよ」

あ、あのクソコウモリめぇ…。
はめられた…。
何だかだんだん立っていられない位に、
気持ちが悪くなってきた…。


「瓶と一緒にこれを預かってました」

ビスケットは小さく折られた紙を差し出す。
俺にはもう読む気力も残ってないため代わりに読んでくれるように頼む。


「朗朗へ。この間はお前の悪ふざけに巻き込まれた。絶対に許さない。
それと謝罪すらもしないだろうから、
仕返しすることにした。
この瓶の中身は風邪薬。
悪魔のお前は風邪なんて引いたこと無いだろうから、
せいぜい苦しめ。
バーカ!バーカ!

と書いてあります。
ちなみにこの前の悪事に加担させられたので、
今回は私もショコラに手を貸しました。
朗朗、お仕置きです」

綺麗に笑ったビスケットが、
悪魔に見えた気がした。
頭の中をショコラの悪戯なムカつく笑い顔が走り回る。

フラフラするし、頭も痛いし、どうすりゃいいんだ…。





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