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朝、鐘鳴から隣町に旨いラーメン屋があると聞いて足を運んだまでは良かった。
しかし今日に限って煉濁の姿が見えず、
ここら辺に土地勘など皆無な俺は、
鐘鳴から書いてもらった手書きの地図を頼りに一人、
さ迷っている。
言っておくが決して迷子ではない、
そこは間違えるなよ。
日曜の休日で人もまばら。
そんな中でも、
金髪で背の高い俺は結構目立っていた。
道を聞こうにも目を反らされそそくさと去っていく人々。
俺に変化の能力があればよかったのに。
狸と狐が羨ましく思ったのは初めてだ。
クソ〜っと頭をガリガリ掻いていると、
前から若い女が歩いてきた。
体を縦に通る芯が背骨に突き刺っているかのように真っ直ぐで綺麗な姿勢、
気の強そうな意志の中にも慈愛を感じる
その目。
茶色い髪を片方ひとつにまとめた女。
少し蒼松に似てる。
最近みんなからロリ…コンだったけな?
幼女趣味っつーの?
そういうの好きだよねーって言われてたのに納得した。
そうか、俺。
女性よりも女の子が好きならしい。
そんな俺は気になったら行動する派だった。
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