朝、トーバと口喧嘩になるわ、
シンジはいつも通りセクハラをかましてくるわで。
私の静かな日常を!!
そんな気分で本屋にでも行こうと歩いていると、
前方からダンスをやってそうな白いダボリとしたジャージを着た、
かなり目立ってる金髪が私を見るなり一目散にかけてきた。
この人…誰かと間違えてるのかしら。
確実に知り合いではない。
ここら辺で見たこともない金髪は私の前で止まった。
かなり背の高い男を見上げる。
そして信じられない一言を大声で口にした。
「今から交尾するぞ!!」
「は?!」
見知らぬ乙女にいきなり何最低なことを言うんだコイツは!
確実に変質者だ。
「するわけないでしょ!!警察呼ぶから待ちなさいよ!」
着ているコートのポケットから携帯電話を出そうとするも…
わ…忘れてきた!!!
こんな力のありそうな男から腕を掴まれでもしたら、
悔しいけど絶対に負ける。
「ちょっ!近づくんじゃないわよ!」
ジリジリと寄ってくる金髪大男。
うちにいる金髪とは大違いだ。
じゃなくて!
もうなんなのよー!と取り合えず殴りかかろうとした時。
「オイ、うちの同居人に何してんだよ」
聞き慣れた声。
朝、喧嘩した声。
トーバだった。
「あ、そうか。相手が人間の時は"交尾"じゃダメだったな…」
トーバが来たことで少し冷静になったのかもしれないが、
相変わらずおかしなことを呟いている大男。
「無視してんじゃねーよ!何してんだって聞いてんだよ!」
無視されたことで怒りをあらわすトーバに金髪大男は言った。
「俺の縄で縛られてみないか?」
白目をむく私と呆れるトーバ。
そして私たち二人の怒りのボルテージが最高潮に達した時、
私たちの真上、
空から声が聞こえた。
「ぬわぁぁぁぁぁぁ!どいてぇぇ!あ、どかないでぇ!
受け止めてぇぇぇ!!」
今日の天気はなんだったっけ?
空からピンク色の頭をした子供が降ってきた。
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