昼休みの中庭は、人で溢れていた。たまたま鉢あったリリアと外で食べようという話になったが、落ち着いて腰を据えられる場所を探すのに難儀しそうだ。探しものは苦手だ、と嘆くリリアに、ナマエは苦笑した。自分だって、探すよりも隠す方が得意なもので。
 首を巡らせていると、ふわりと、さっぱりとした香りがした。ナマエは思わず、隣を歩くリリアに体を傾けた。

「どうした?体調がすぐれぬのか」
「んーー、いつもと香水違いません?今日のは鼻をすーっと通る感じがします」

 これも好きだけど、と足すと、リリアは真紅の双眸を楽しげに細めた。

「よく気がついた。午後に飛行術があるからな」トマトジュースの缶を持った手で、リリアは額を拭うような動作をした。そして、ため息をひとつ吐いた。「ど〜にも陽の下の活動は気が重いでな、匂いだけでも爽快感を、と思ったのじゃ」
「へぇ」 

 確かに、嫌なことがあっても、良い匂いを嗅げば気分がよくなるだろう。ナマエだって嫌いな飛行術の合間に、こっそり草花の中に体を沈めて気分転換しているし。

「ナマエは……」

 今度はリリアの顔がナマエに近づいた。すん、と浅く一呼吸すると、彼は得心したように頷いた。

「ふむ。さすが植物の妖精だ。花弁に鼻を埋めているような、甘い匂いがする」
「そうですか?自分じゃわかんないや」

 試しに手首に鼻を近づけても、ナマエにはわからない。しかし嗅いでいて不快ではないのなら、良かった。いつも一緒にいるジャックは、結構においに敏感なのだから。
 ――そういえば、ジャックといえば。

「リリア先輩、知ってましたか?狼って一妻一夫らしいですよ。一途ですよね」
「ああ、知っておる。一途さもあるが、群れを作り、集団で狩りをする知性も持ち合わせた動物だ。……なんだ、狼について調べたのか」

 ナマエは「はい」と頷いた。

「ジャックが俺のこと調べてくれてたんで、俺もしなきゃかなって」

 ジャックは妖精族について調べるのに分厚い本やら、論文を読んでいたのに対して、ナマエはネットや動画を軽くさらった程度だ。だって、自分は文字を読むだけで眠たくなってしまう。これでも努力した方だ。
 リリアは小さな唇を弓なりにしならせた。

「だいぶ入れ込んでおるようじゃな」
「そー、ですか?気軽に付き合ってますよ」
「ん、……まぁ、わしからあれこれ言うのは野暮か。お、ナマエ、こっちにおいで」

 リリアは肩にかけたブレザーを翻して、迷いのない取りで歩き始めた。促されるまま、ナマエは中庭を進んでいく。
 百歩も歩かぬうちに丁度良く空いている木陰を見つけた。「おお!」とナマエが関心していると、その梢からコウモリが数匹抜け出てきた。彼らは示し合わせたようにリリアの上を旋回し、リリアに撫でられていった順に解散していった。どうやら、彼らに空きスペース探しを手伝ってもらっていたようだ。
 リリアは根元に座り、ナマエは日向側に立った。ナマエがサムから買ったハムサンドの包みを開く前に、リリアから「ナマエ」と声をかけられた。視線を下ろすと、目の前に缶が投げ込まれて、ナマエは慌ててそれを掴んだ。

「ナイスキャッチ!」ガッツポーズと共にリリアが言った。「飲んでみなさい。どうせ今日もサンドイッチと水じゃろ」

 どうせ、という物言いが引っかかるが、ナマエが特に食べ物に頓着していないのは事実だった。ハムサンドだって、肉と野菜と乳製品のチーズが同時に取れる優れ物だと認識しているからただ買っているだけだし(人間は植物よりも取るべき栄養が多いのだ!)。
 トマトの絵が描かれた缶をくるくると手の中で回して、ナマエはプルタブを引いた。カシュ、と気の抜ける音と同時に赤い汁がナマエの指先を汚す。それをぺろりと舐めると、口の中にさっぱりとしたトマトの風味が広がった。

「どうじゃ、美味いか」

 リリアの問いに、ナマエは頭をひねった。

「ううん。トマトジュースよりもはちみつの方が好きです」
「はは、そうかそうか。どれ、残りはわしが貰おう」ナマエから缶を受け取ると、「おや」と声を上げた。「赤いのがほっぺたにもついておるぞ。とってやろう」

 リリアが懐から白いハンカチを取り出した。ナマエが背を屈めると、頬を優しく拭われる。

 「う」と今度はナマエが声を上げた。

「なんだ?」
「リリア先輩、根っこはぞわっときて、なんかいやです」
「おう、すまんすまん。痛かったか」

 ナマエの片頬には、心臓から生えた花の根っこが放射線状に広がっている場所があり、そこにリリアのハンカチが強く当たったのだ。痛い、というかぞわっとくるというか。ジャック風にいえば本能的になんか嫌だった。
 リリアがハンカチから手を離して、今度はいたわるように地肌を撫でてくる。これは、気持ちいい。

「――おお」

 ふとリリアが後ろに下がった。

「リリア?」
「そう怖い顔をするなよ」ナマエの肩越しに、誰かに声をかけていた。「ジャック・ハウルだったか。わしとこの子はただの友達じゃ」
「ジャック?」

 振り向けば、リリアの言う通りナマエの銀髪の彼が立っていた。「ジャックもこっちこいよ」とナマエが言うと、彼は首を振って、口先をとがらせた。
 リリアと目を合わせると、リリアもわけ知り顔でにやついており、この場でただ一人、ナマエだけが頭上に疑問符を浮かべている。
 「ちょっとすみません」と断りを入れて、ナマエはジャックに駆け寄った。

「なんか、不機嫌?」
「別に」
「ふーん。あのな、あの人は俺の副寮長のリリア先輩。挨拶しとけよ」

 肘で小突いても、ジャックは不本意そうだ。
 ナマエの疑念はますます深まった。ジャックは人を選んで礼を欠くような人物ではないはず。なのにどうしてこう、リリアにガンつけているのだろうか。

「ナマエ」
「なにさ」

 呼ばれて顔を上げると、ジャックの大きな手の平が、ナマエの側頭部を包んだ。言葉を失っている間に、ジャックはわしわしわし、と思い切りナマエの頭を摩るような撫でるような手の動かし方をした。
「だ、な、なんだ?」
「悪いな。こっちの都合だ」

 ひとしきり撫でられた、というか突風に巻き込まれたような心地だった。ナマエの頭はぐらぐらで、髪はぐしゃぐしゃだ。それなのに目の前の彼は気にした風でもなく、満足げににやりと頷いた。そして、リリアの方に向かい「お疲れ様です」と、深々と頭を下げた。

 大きな背中を見つめながら、そういえば、ジャックからこうしてじゃれてきたのは初めてだな、とぼんやり思っていた。




 ――王子様とお姫様は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。

 ナマエは本を閉ざして、膝に置いた。そして万歳をするように背中を伸ばせば、体のあちこちから変な音がする。満足するまで筋肉をほぐして、そのまま体を横に倒した。ナマエの体は地面に落ちることはなく、大きな背中にぶつかる。――同じく座り込んだジャックのものだった。
 ゆらゆらと、目の前で大きな尻尾が揺れる。ナマエが撫でると、また揺れる。しかし、持ち主の彼は特に言葉を発することはない。勉強に夢中なようだった。

 魔力を作るために、ナマエは日課として、早朝にこの植物園で日光浴をしている。ジャックを伴うようになったのは、ここ最近のことだ。
 もっとも、ジャックはそうする必要はない。植物の妖精であるナマエとは違い、狼の彼が日を浴びたところで、魔力は作れないし、寮で寝ていた方がよほど疲れは取れる。
 しかし、彼は朝のランニングを終えると、決まって植物園に足を運び、ナマエと一緒に居た。

 時間を無為に過ごせない彼は、ナマエを背に乗せて筋トレし始めたり、教材を持ち込んで予習と復習に励んでいたりする。ナマエはと言えば、ジャックとだらだらと話したり、リリアに勧められたゲームをしたり、今のように図書室の絵本を読みふけっていた。

 ナマエは尻尾の先をぺたぺたと叩いた。

「ね、ジャックって、寝るのはやいんだっけ」

 ジャックはノートから目を離して、振り返った。訝しげな表情だったが、やがてこくりとひとつ頷いた。

「早いというか、人に寝る時間をいえば大体そう返されるな」
「夜更かし出来る?」
「なんでだ?」

 ナマエがとある一角を指すと、琥珀の瞳は素直に追随した。

「あの背の高いサボテン、夜に花を咲かせるぜ」
「花っ!?」ジャックは頬を緩めたが、口元はすぐに直線を描いた。「夜、って今夜ってことか?」
「今夜っていうか、毎晩?夜にしか花をつけないんだってさ」

 植物は言葉を発さないものの、植物の妖精であるナマエにはあらましが本能的にわかる。しかし、ナマエはジャックには詳細を教えることはなかった。ジャック自身に、自分で最大限努力したいからあまりネタバレをしないでほしいと言われているためだった。なのでこれは例外だ。仕方ないだろう、夜にしか咲かせないサボテンなんて、早寝のジャックにはまず見つけられないのだから。

 ジャックの尻尾の振りがメトロノームのように早まっていく。今夜の予定は、もう決まったようなものだった。


 夜の鏡舎はゴーストが好きそうな、薄暗い雰囲気が漂っている。少し、埃っぽい。
 ナマエはサバナクローへと繋がる鏡に足を向けると、ちょうどよくジャックが現れた。

「悪い、待たせた」
「や、俺も今きたとこ」自分を抱くようにして、ナマエは腕をさすった。「この時間の夜ってちょっと寒いね。早く植物園入ろ……」

 ふと、ナマエは動きを止めた。というよりも、目を奪われていた。薄暗い空間の中で、ジャックの銀髪がきらきらと光っていたのだ。普段から星を編んだような美しさを持っていたそれは、ここでは特に鮮やかさが増している。

「なんだよ」
「ジャックってふわふわできらきらしてて綺麗だと思って」
「はあ?」

 純粋に驚いた、という風に目を見開いてから、ジャックは苦い顔をした。ものいいたげな間を少し開けて、「変なこと言うなよな」とつぶやく。ため息混じりのそれには、不思議と不快そうな響きはなかった。

 ちょっとした探検気分を味わいつつも、夜の学園を進んでいき、ナマエたちは目的地へと到着した。
 どこだっけ、という会話もなく、例のそれは彼らの視界に飛び込む。
 ナマエやジャックの目線よりもずっと高いところから、点々と小さな光がらせん状に並んでいるのが見えた。遠目からすれば、蛍がたくさん止まっているようだ。目を凝らすと、それらはサボテンの白い花が月光を受けたものだとわかる。

「すげーな!」

 こんなのはじめてだ、とジャックはいつになく上機嫌に笑っていた。茨の谷では、こんなの、よく見れた。だけども、ナマエも思わずはにかんでしまう。ナマエの瞳に映るジャックが星や宝石のように、一層きらきらになったからだ。

「ナマエ、ありがとな。俺だけじゃ、きっと気づかなかった」
「ううん」ナマエは首を振った。「ジャックなら、多分、この子がそうだって、いつかは気づいたと思う。ジャックはよく勉強しているし」

 ナマエは口をつぐんだ。いつも天に向かってつんと立っているジャックの耳が、途端に横に向いたのだ。

「だけど今お前とこれを見れてるのは、お前のおかげには違いない」
「俺のおかげ?」ナマエは確かめるように繰り返した。「俺がジャックの役に立てたんだ?」
「ああ」
「ヘンなカンジ。でも、それなら、良かった」

 ジャックには色々と世話になっているし、楽しませてもらっている。少しでも返せているのならば、それで良かった。

「ナマエ」
「なになに?」

 不意に、褐色の手がナマエの口元に伸びた。
 かさついた指の腹が頬の柔らかい部分を撫で上げて、そのまま耳の裏まで到達する。耳朶の厚さや具合でも確かめているようにふにふにと揉まれていく。
 ぐるぐる、と獣の声が降ってきて、顔を上げるとまばゆい銀髪が近づいていることにナマエは気がついた。
 目の前がちかちかとしてきた。しかし、瞼を下ろせずにいた。

 あ、と自然と声が出た。

「――あ?」
「ごめん。なんか、絵本と一緒だと思って」
「……お前」

 ジャックは後頭部をがしがしとかいて、ため息とともに「んな可愛いもんじゃねぇよ」と低く呟いた。
 それからは、植物園を少しまわって、何事もなかったかのように鏡舎で別れた。その間ずっと、ジャックはナマエから一歩分距離を置いたままだった。




 絵本の中では、男は女のために、女は男のために、たくさんの障害を乗り越えて、苦労した末に彼らは結ばれる。二人はずっとずっと一生一緒に暮らす。
 王子様とお姫様は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ、って。
 面白いよね。俺とは違う世界の話だ。
 
 だって十分相手のことを知ったら、飽きない?あとは楽しく遊ぶ友達に戻るでしょ?だいたい、生殖する相手が一人っていうのもよくわかんないな。別世界って感じ。

 でも、ジャックがしたいのはそういうことなんだろうな、と俺はだんだんと分かってきた。

 ジャックは、俺が絵本を眺めるのを止めやしないし、たまに一緒に読んだりもする。「知らねえ奴に声かけられてるのに警戒心なさすぎるだろ」だとか、「人間が動物と普通に口聞くのか……」とか、野暮なことを言うものの、結末を見届けると彼の表情は自然と柔らかくなる。
 運命の相手とは、こうして結ばれたいものだ、とぽつりと呟いて、恥ずかしがって顔を赤くさせていたのを俺はよく覚えている。

 きっと、ジャックからしてみれば、俺は運命の相手なのだ。だから、あの夜に俺はジャックとめでたし、めでたし、となっていた可能性があった。口付けというものには、そういう契りの意味があるらしいし。
 けど、俺のちょっとした一言が止めた形となった。

 俺には全く想像ができなかった。ジャックのことで知りたいことがまだいっぱいある。けど、ずっと一緒になるというものが、俺にはわからない。




 どうしたものかと、ナマエは頬杖をついたままため息を吐いた。
 恋人のジャックが、魔法薬学が終えてからというもの席に突っ伏して動かないのだ。本人曰く、煮込んだ薬草のにおいに鼻をやられたのだとか。

「ジャックー、俺暇なんだけどー?」ナマエはその大きな背中に両手を置いて、自分の上体ごと前後に揺れた。「ぶーかーつーだーろー!って!」
「部活の時間はまだ先だ」
「あ、喋った」

 以降、待てど打てど響く様子はない。強いて言えば、彼の尻尾のしなりがナマエの太ももを強かに打ちつけた程度だ。
 沈んだ気分の彼をこのまま部活に見送るのも、なんだかしのびない。今から購買に走っておいしいものでも買うか、もしくは匂いがダメだったんなら、いい匂いの花でも摘んでくるか。
 そこまで考えが至ったところで、ナマエは気がついた。そういえば、俺は植物の妖精だ。

「ジャックジャック、ちょっちこっち向いて」

 言ったところで、この狼に動く気配はない。ナマエはジャックの顔が向いている方へ移動すると、ネクタイを抜いて、襟元をくつろげた。遠くを見つめていた琥珀が、そこでようやく驚きで目を見開く。
 ナマエは上体を机に預けて、襟をさらに引っ張った。

「ここに顔突っ込んでみろよ。俺良い匂いするって、リリア先輩に言われたことあるからさ」

 きっと心臓の花のものだろうと見当をつけたナマエは、こうした方がより効果があると信じて疑わなかった。
 ジャックは歯牙がすっかり隠れてしまうほど口角を下げて、眉根を寄せた。

「リリア先輩にだぁ?」
「しない?」
「いや、……まぁ、せっかく好意だ。甘えさせてもらわねえとな」

 座っているジャックが、とんとん、と膝を叩いた。こっちに来いということらしい。ナマエは駆け寄ると、その足の間に腰を据えて、ジャックと体を向き合わせた。
 ジャックの首元から、ふんわりと石鹸の清潔な匂いがした。いい匂い。ナマエは誘われるまま膝立ちとなって、襟足まで覗き込むように嗅いでいると、額を強く押し返された。

「ぶ」
「お前が嗅いでどうすんだ」
「ダメー?」
「いや、別にダメとか嫌だとか、そういう話じゃねえけど……」
「しょんぼりジャックも遠慮すんなって」

 肩を叩いて笑えば、ジャックの手が背中にまわる。
 先ほどナマエがしたように、彼は鼻を襟元に埋めて、深く息を吸った。同時に大きな耳が後ろに下がり、彼がリラックスしていることがわかる。次には抱きこまれて、もう一度。
 不意にくふ、とナマエの口から声がこぼれた。

「なんだよ」
「ちょっとくすぐったくて。髪の毛固いなぁ、ジャックは」

 ナマエは、もみあげのあたりの銀がかった髪を撫で付けた。毛並みがきちんとついた耳がぴこぴこと弾かれるのが面白くて、ナマエは揉み込むようにそれらをさすった。

「ジャック?」

 いい加減だんまりなのが気になって、ナマエは視線を下ろした。――そして、息を飲んだ。

 琥珀の瞳が、ナマエの様子をじっとりと伺っていた。

「ナマエ」と、彼はナマエを呼んだ。ナマエは反応するのをためらった。そこには、ナマエを獲物として射すめるようなものが滲んでいたのだ。
 彼の顔が近づいてきた、と認識するころにはナマエの体は動いていた。腕を思いきり伸ばして、ジャックの顔を押しのけたのだ。
 冷ややかな沈黙が二人の間に横たわる。

 自分は、ジャックを拒絶してしまった。
 ナマエが事態を理解するには十分だった。そして、彼の厚い好意を知っているからこそ、ナマエの中で罪悪感が膨らんでいった。

「……ごめん、やっぱり、ジャックの思うような仲には、なれないかも」
「どういうことだ」
「それは、その……言葉の通りで……」

 どう、説明したものか。
 舌先が動揺で痺れていく。頭に逆巻く熱は、ナマエの思考を全て溶かした。さえずる小鳥のように軽快に話していた自分は、ここにはいない。
 要領の得ないナマエに、ジャックは喉を鳴らして苛立ちを示した。

「わかってたよ。お前が本気じゃなかったってことは」

 彼の膨らんだ尻尾が、大袈裟なくらい揺れたのがナマエの視界の端に映った。

「ッ、……!」

 気を取られているうちに、ジャックに腕を掴まれていた。
 ナマエはうめいて、身をよじった。獣に噛みつかれたのでは無いかと思うほど、そこが痛んだ。

「ナマエ」

 ジャックは、静かに言った。

「教えておくが、狼は生涯に一人しか番を持たない。俺は、この意味がわからねぇとは言わせない」

  

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