ナマエがアユソからの「早く逃げて!」というメッセージを受け取ると同時に、白煙を散らしながら飛び上がった椅子と彼の悲痛な色を帯びた叫び声が冬空に吸い込まれていく。
 あと数秒駆け出すのが早ければ、とナマエは己の判断力の無さに歯噛みした。救助は初動が大事だと――既に吊られた空軍のマーサやオフェンスのエリスが説いてくれた言葉を思い出すには遅すぎた。

 ナマエが後悔と絶望感を込めて白いため息を吐くと、きーんという音が耳の奥から響く。次の行動を考えなくてはならない、この貴重な数秒を使い思わず夜の帳が下りた空を見上げた。
 雪が絶えず降り注ぐこの「レオの思い出」と称された地形は、気候によるデメリットこそ与えられない。あるいはたった一人取り残されたナマエを雪で隠してくれるなどというメリットもない。
 この地形限定の特殊なアクションといえば、雪玉を投げることだけだ。しかも視界を少し狭くするだけで実益なんてない。何故そんなものを実装したのかと荘園の主に再三聞きたくなる。

 ナマエは振り子のように首を巡らせて軽く索敵をおこなった。
 アユソが飛んだ跡地にハンターの影は無い。
 念のためにとナマエは胸に手を当て探っていっても、心臓は通常通りに拍動している。嫌な予感もない、とくればハンターは近くにいないということだ。
 暗号機は残り一つ。機械に弱いナマエが最後に泣く泣く解読を進めていたのは脱出ゲート近くのもの。雪が舞う視界のなか、目を凝らせばそのアンテナが盛んに揺れているのが見えた。
 新米サバイバーのナマエからしても、迂闊にあの暗号機に近寄らずに地下室を目指さなければならないのは明白だ。
 不幸中の幸いとしては、他三人の手厚い保護によりナマエは無傷であること。そして自分の身体能力は常人よりも優れており、窓枠などの障害物には苦心しないこと。

 不意にナマエの目端を黒い何かが悠然とはためき、頭上で何かはカァと鳴いた。
 ナマエは体の端から血の気が急速に引いていくのを感じた。鴉だ。それもどんどん数を増やし、ナマエを取り囲むように宙でサークルを描く。
 そうだった。最後の一人となればこうして鴉につきまとわれて、ハンターに居場所が伝わるのだった。何を悠長に雪見に興じていたのか、鴉の無遠慮な羽音がナマエを責める声にも聞こえてくる。

「あー!私の馬鹿!馬鹿!芋以下!!」

 そう己を罵り、雪玉を地面やら石壁やらに叩きつけた。
 さりとて問題は解決せず、白雪の手触りと色味がナマエの心身をよく濡らし、冷やすだけだ。そしてこうする間にも鴉はぐるぐるとナマエの周りに群れていく。

 ナマエは腹を決めると駆け出した。足跡が残っても今更なのだ。気にすまい。
 この地形においての地下室の候補地は四箇所。北のゲート付近には出ていなかったため、残り三箇所を確認していかなければならない。
 鉛でも詰め込まれたかのように足が重たく感じるのは、決して気落ちしているせいとかではなく、雪で靴が湿っているせいだ。多分。


 ナマエがこのゲームに参加したのは片手で足りるほどの回数だ。それも他のサバイバーと行動をともにして、まずは解読の方法だとか、板の倒し方だとか、治療方法など基本的なことを教えてもらうためのもの。
 ハンターとの追いかけっこなぞ、新米の自分にお鉢が回ることなどなかった。

 ただ新人という立場に甘えて、何も準備をしなかったわけではない。弁護士のライリーから借りた地図を紙が擦り切れるほど繰り返し読んだり、逃げやすい位置や地下室の場所はおおよそ教えてもらっていた。
 だから万が一会敵しても、障害物をかいくぐり、地下室に飛び込んでしまえばナマエだけでも生還できる。

「なんて、上手くいくわけないけど……」

 ナマエの口に自嘲的な笑みが浮かび、足取りは心なしか遅くなりかける。
 なんせ、ナマエを今血眼で探しているだろうハンターは、歴戦のサバイバー達を真っ先に飛ばしたのだ。
 果たして未熟なナマエが相手取ることはできるだろうかといえば、無理だ。ようやく自立した雛が嵐の中を上手く潜れるのか、楽譜だけ読み込み鍵盤ですぐ福音をならせるピアニストはいるのか。全部答えはいいえだ。
 しかし他の三人のことを思えば、彼らのために一矢報いたいとも思う。

 不意に、ぞわりとしたものが肌を走った。
 ナマエは心臓が掴まれたような緊張感を覚え、その元凶が背後にいるのを確かに感じた。
 敵の挙動をきちんと見ながら走らないと、思考を巡らせながらナマエは首だけ後ろにやり、――言葉を失った。

 そこには何もいなかった。
 しかし体はきちんとハンターが近くにいると警鐘を鳴らしまわしていたし、何かが居るのは確実なのだが、姿が見えない。
 巨漢の人形は見つけたらまず壊せ。でないと瞬間移動してくるから。鹿の被り物をしているハンターはサバイバーを引き寄せる武器を持っている。
 ナマエはハンターに関する助言を思い出しながら、恐怖で叫びそうになるが堪えた。恐れを露呈させれば彼らは余計に喜ぶに違いなかった。

 透明化するハンターに関しての情報をなんとかたぐり寄せたが、ナマエは絶望感を一層強めることになる。
 霧の刃だけ当たればすぐに追撃を喰らうとか、時間経過で体は透け始め、その間は常よりも移動速度が上がるだとか、そんなことを言っていた気がする。
 あまり相手にしたくないハンターだと、百数秒も牽制したこともあるあの傭兵サベダーの苦い顔が頭をよぎった。
 アンタが無理なら私は余計に無理な気がする!

 焦燥で落ち着きを絡め取られ、崩れ落ちそうになった体勢を無理に修正しながら、ナマエはまだ障害物が残っている場所へと足を向けた。

 眼前にまだ使われていない板を見つけ、ナマエはすがりつくように手を伸ばした。あとはハンターが迫った瞬間に倒せばいいのだが、後ろからの何かが打ち込まれるような衝撃をもらい、ナマエはかたく目を瞑ったまま板を倒した。

 幕が下り始めたような明滅の後、ナマエはうっすらと瞼を開き、「げ」と口元を引きつらせた。
 心音のうるささが、己の失態によりさらに加速する。目の前に倒れた板がある――つまりは、自分がハンターと板の間に立っているのだ。
 ナマエは息を飲んだ。ハンターはもう真後ろで、このまま板の向こうにいってもなんとかの一撃とか食らうではないか。

「ふふふ……」

 自分を包む冷気よりも薄ら寒さを感じさせる笑い声にナマエは身をすくめた。ハンターが、笑った……?
 意を決して身を翻すと、空から丸くて白い物体がナマエにめがけて飛んできた。

「うっ!?」ナマエの額に当たったそれはほろほろと崩れ落ち、ナマエの顔に痛みと冷たさをもたらした。「ゆっ、雪玉!!?」

 また二、三こほど投げつけられて、ナマエはとっさに腕で塞いだ。ハンターが間違えて投げたの!?なにこれ!!!?
 目を白黒させるナマエはまた雪玉を数個投げつけられる。
 ナマエは意外な事態にただただどこから来るかわからないそれに「なにっ!!?」だの「うわっ!」などと悲鳴をあげることしかできなかった。

 雪玉の乱れ打ちが止んだかと思えば、ご機嫌な鼻歌が耳に入る。おそるおそる顔を上げれば、やはり緊張感はあるのに姿が見えない。

「……んん?」

 ナマエは目を細めた。ナマエより数歩前には透明ながらも長身の輪郭が浮かび上がっていた。頭部に向かって顎を上げれば、ハンターと視線が交わったーーような気がした。

「いい夜ですね。あなたは見ない顔ですが、新しいお客様でしょうか」

 穏やかな挨拶に、ナマエは虚をつかれる。

「私がサバイバーってわかってる?」
「わかってますよ?」
「それで、アンタはハンターで……」
「ええ。貴方たちにとっては死神のようなものですね」

 ざくり、と下から音が立った。向かいのハンターがナマエに近づこうと一歩踏み出す音だった。咄嗟にナマエは後ずさると、視界が反転し足と背中に鈍い痛みが走った。

「いった!?」

 頭上から鴉の羽音に混じって吹き出す音が聞こえて、ナマエは非難がましく叫んだ。

「笑うな!」
「いや倒した板に転けてしまうなんて、貴方……鈍臭いですねぇ」

 また喉を鳴らすような嘲笑が聞こえてきて、ナマエは襟元まで熱がこもっていくのを感じた。きっと鏡を見れば真っ赤になった自分を拝めるだろう。
 跳ねるように起きたナマエは今度は自分がハンターに向かって足を踏み出した。

「これはサバイバーとして正常な!反応!」
「私は貴方を切り裂かずにいたのに」
「油断を誘っているんじゃないの!?悪魔だって甘言で人を惑わすし」
「私は悪魔ではありませんよ」

 ああいえば、こう言うとナマエは眉をひそめた。

「……でも私たちを狩る者には変わりない」
「はい」

 愉快げな肯定にナマエはまた深いため息を吐きかけたが、これでは彼に主導権を握られっぱなしだと思い、額を押さえるだけにとどめた。

「冷えましたか?」
「なっ」

 するりと額を撫でる感触にナマエは肩を揺らした。動けずにいると、それをどうとったのか、今度は髪に残る雪の残渣を丁寧に落とされていく。
 思わず止めようと腕を上げたものの、自分を害する様子のないそれに、行き場を無くしてしまった。
 それでも目の前にハンターがいる恐れからか、表情も指先もこわばったままだった。

「別に、そんなに恐れなくても良いんですよ」降ってきた声はやや呆れがにじんでいた。「私がわざわざ雪玉を作って投げてる時点で分かるでしょう。こちらの手はこうですし……」

 ナマエの髪に触れていたものとは反対の手をリッパーが掲げた。普通の手よりも大きくて、先が少し鋭利なような……?
 しかし雪景色に加えて、ナマエたちを濃霧が取り巻きだし、詳細はわからない。
 首を傾げるナマエに、ハンターも不思議そうに「ん?」と上がり調子に呟いた。

「ああ……いまの姿では見えませんでしたね。失礼致しました」
「え、結構うっかり屋さん?」
「板で後ろから転ける貴方ほどではありませんけど」
「言うな!」
「事実ですよ」

 思わず雪玉を投げるものの、透明なハンターに当たった手応えは無い。
 彼の低い笑い声がナマエの耳をくすぐるだけだった。


 「少し話せませんか?」というハンターの言により、ナマエは雪が降っていない場所――工場の中へ移動することになった。
 素直に従ったのは別にハンターにほだされたとかではなく、断ってそのまま殴り倒されるのもごめんだったからだ。
 雪が積もる音さえも聞こえそうな道中、ナマエは緊張感と不安で閉口していたのだが、対照的にリッパーは明るい調子で口火を切った。

「いまは気分が良いんですよ」
「はぁ」
「今朝のゲームでは四人吊れましたし、新しい衣装が買えたので。このゲームで勝ちが確定したら優鬼してみようかなと」

 ナマエの眉がぴくりと跳ねた。どうにも不愉快な気持ちが煽られ、ナマエは相槌を打つのも止め沈黙を保っていた。しかし透明なハンターは気にせず、「着きましたね」とさもそこがサーカスのテントかのように弾んだ調子で薄暗い工場へ入っていった。
 ナマエが彼に誘導されるまま歩いていけば、火薬で黒ずんだ床と、その隣にまだ通電していない暗号機があった。……残り三割、といったところか。

「せっかくならゲートでおかえりになってください」
「その間アンタのお話相手になれっていうの?」
「嫌ならこのままお逃げになっても構いませんよ?」

 首に熱いものを感じ、ナマエは非難がましい眼差しをハンターのいる方向に刺した。
 結晶の先のような、鋭い殺気だった。従わなければ蝿のように叩き潰されると目の前で宣言されているようなものだ。

 ナマエは不承不承といった様子で暗号機に手をかけた。
 機械とは無縁な暮らしをしていたために、自分は機械の操作に非常に疎く、解読が遅い。ただナマエにはナマエの役割があると他のサバイバーに励まされたり、助言も多く受けたので気にしたことはなかった。
 しかし今ばかりは自分の不足した技能を恨めしく思う。
 これではこのハンターと共にいる時間がその分長くなってしまうではないか。

 彼は口がよく回った。ナマエの逃げ方の悪さ――自分相手に、直線上に逃げるのはよくないだとか――や、ここでどう他のサバイバーとどんな大立ち回りを演じただとか。
 時折ナマエが不快げな素振りを見せても、気づいているのかいないのか、ハンターは主役の演者を思わせる調子でよくしゃべっていた。

 解読が終了したと確かな手応えを感じた瞬間に、こもったサイレンの音が響き渡る。思わず体を震わせたナマエに、ハンターは微笑ましそうに発した。

「ははあ、本当に初心者のようだ」
「アンタと居るのは疲れるってよく言われない?」
「退屈はさせませんよ。さあお嬢さん、足元に気をつけて」

 外に出て、ふと足元を見れば、複数の靴の跡があった。
 あんな、永遠とも思える時間を過ごしたのに、靴の形に凹んでいた道はほんの少しだけ雪が被っているだけ。
 注視していけば、ナマエやハンター以外のものも判別できた。
 迷いのない足取り、他のものより小さなヒールの跡、これはマーサ。二重に重なっているブーツは、一時彼女を回収して逃げようとしたのだろう、飛ばされたアユソ。……となればこちらに直線上向かっているような足跡はエリスか。
 ハンターの話を聞いていた通りの、個々の奮闘が目に浮かび、痛ましい。
 それなのにナマエは何もしていない。むしろこうして気まぐれに情をかけられているという有様だった。

「靴に汚れでも?」
「別に。少しくたびれただけ」
「そうですか。ゲートまではそう遠くないので大丈夫ですよ」

 ナマエは周囲に視線を走らせた。このままで終わるのはどうにも癪だった。
 壊された板の残骸、閉まったままの道具箱。起死回生――本来の意味での、だ――の手段となりそうなものは見当たらない。
 ……いや?

「あった」

 ナマエの目にはゲート――ではなく、椅子があった。
 サバイバーにとっては忌まわしい存在でしかないそれに、ナマエは口角が上がるのを感じた。

「椅子がどうかされましたか?」
「ねぇ、ハンター」ナマエはぱたぱたとそれに駆け寄ると、ハンターに背を向けたまま言った。「……気が済んだなら、私を吊って」

 肘置きに手をかけた途端に、ナマエは横に思い切り弾き飛ばされた。臓物を全て揺らされるような痛みにナマエは小さく呻いた。

 足が軟体化したように動かない。外気の冷たさと発熱した体に苛まれ、誰かに助けてほしくてたまらない。肩から流れ落ちる液体のぬるさが気持ち悪いが、そんなものさえ拭う余裕は無かった。ナマエは本能的に肩を上下させ、全身で呼吸するのがやっとだった。
 ハンターに殴られると擬似的な死を迎えるが、荘園に戻れば元どおりだとーー聞いていた。これはそんな楽観視出来る状態なのだろうか。本当に、本当に、私は大丈夫なのか。

 ぽたぽたと雪の絨毯が赤い斑点で模様付けられていく。液体の正体を目の当たりにして、ナマエは地を噛み付く勢いで唸った。

「良い度胸していますねぇ、貴方」

 声に吊られるように仰ぎ見れば、まず火花のように乱暴な赤で目が眩んだ。ようやく姿を現した、ハンターの双眸だ。

 これは、ノーワンと呼ぶのだったか。ぼんやりとし始めた思考の中でそう判断する。

「自分がどうこう決めて良い立場ではないということは分かっているでしょう?」ハンターは続けた。「『今日は貴方を吊らない』という私の意向に添えば良いのですよ」

 ああ、たしかにその左手では雪玉も作れないだろう。新しい服って言ってたけどボロい気がする。
 ナマエの頭は現実逃避をしたがっているようで、どうでもよいことを炭酸の泡のように踊らせていく。

「さあゲートに行きましょう。貴方がたは一度きりならばその状態から立ち上がれたはずです」

 ナマエは口の聞けない子供のように大きくかぶりを振った。
 そして整わない呼気の中、「嫌だ」と拒絶した。

「はあ、良いのですか。このままでは貴方の負けですが」
「わ、私が脱出しても、しなくてもサバイバー側の負けは変わらない」ナマエは吐き出すように告げた。「――それに、私はアンタの思い通りに行くのが一番イヤ」

 きっと、頷けば楽だった。「聞き分けの良い子は好きです」など言われてこんな苦しみからさっさと救われていただろう。
 生命的な危機に瀕して、楽な方へと傾きかけていたナマエは、散々弄ばれただろう仲間への申し訳なさや、それを自分の話の種にするようなハンターへの反抗心でそれを拒否していた。

 せめて一人で脱出して一矢報いてやろうとも考えていたが、このハンターならばこちらの方がそのプライドを大きく傷つける。
 私を怒りのまま殴ればいい。その紳士の皮を剥いで醜い感情をぶつければいい。全てが思いのままにならなかった子供のように癇癪を起こせば、ナマエは大いに笑ってやるつもりだった。

 少しの間が空いた。ナマエはじわじわと自分の死が近づくのを感じ、期待に胸を膨らませていると、刃が五指に備わった腕が伸びた。
 来る!――と身構えると、それは杞憂に終わった。
 ナマエはあっという間に風船がくくりつけられ、椅子から遠ざけられていく。抵抗するか、ハンターに数回落とされるとナマエは再び立ち上がれるが、ナマエはあいにくゲートを開くつもりはない。

「だんまり決め込むの?さっきまで油をさしたみたいによく動いた舌はどこにいったんでしょうね」

 無言のハンターはナマエを風船で吊るしたまま移動を続ける。
 その間もナマエはあれやこれやと言い続けるが、なにも響く様子がない。

「ねえ、いい加減――」

 ナマエが口を開いた途端に、何かが切れる音が耳をつんざき、間もなく浮遊感が襲った。
 「やっ」とナマエは素っ頓狂な悲鳴を上げた。空で泳ぐような真似をしても意味がない。ナマエの体は深い暗闇へと落ちていった。

 底に着いた拍子に打ったのだろう、ナマエはじんじんと痛む額をさする。ここがいわゆる地下室だと、ようやく思い至った。

「子犬のように可愛らしく鳴くお嬢さん。また霧の中でお会いしましょうね」

 重厚な音がナマエの皮膚を震わせる。
 果ての見えない世界の中、遠くでくぐもった鼻歌が反響する。

「ああ、あのくそ野郎!最初から眼中になかってワケ!」

  

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