(ケロイド主と伏黒)例の部屋 これの人と伏黒が例の部屋に閉じ込められたというif(?) 「ふ、伏黒くん……」 どうしよう、と青い目が訴える。いつもの困り眉を下げて、顔を真っ赤にしている彼女に「わかんねえよ」と返した。セックスしないと出られない部屋なんて、バカじゃないのか、本当に。 「何かわからないか?」 「う、ううん……?」 彼女の目からしてみれば、このふざけた部屋がー考えたくもないがー誰かの呪術によるものなのか、もしくはただ単に呪力によって強化されてるものだとかわかるはずだ。とは言っても、散々式神に攻撃させて、傷一つもつけられないこの有様をどうにかする手立てが思いつくかはわからないが。 「領域展開に近いかもー……それにしては本当、寸分の隙もなく綺麗に呪力が張ってある……」 目を凝らしてうんうんと唸る@は真面目に言った。そういった感覚はよくわからないが、とりあえずここは普通の領域ではないのだろう。 「中から無理なら誰かが来るまで待つしかないな」 「だよね……」 ベッドに座り込んで、何気なしにナイトテーブルの引き出しを開けて、伏黒はすぐに後悔することになる。 ローション、ゴム、他にも…………、毒々しい色のそれを眼に移した瞬間恵は思いきり引き出しを押し込める。ゴツッと甲高い音が部屋に響き、冷蔵庫を覗いていた@が肩を震わせた。 「なに?何かあった?」 「なにもねえ」 「残念。……水あったけど飲む?」 「飲んで大丈夫なのかそれ」 @は手元のペットボトルを転がしたり、天井の薄暗い照明に透けさせて、じっくりと眺めた。 「蓋はちゃんとしまってるし、漏れも変色もなし……呪力も術式もこもってないよ」 「そういう意味じゃなくて……」 「あ、……あー!そっか。 呪術的じゃない毒とか入ってるかも。飲むのは最終手段で」 「……おう」 ーー催淫剤な何かが入ってるのでは、と出かけた口を抑えて伏黒はそのままベッドに寝っ転がった。 |