今年は三大魔法学校対抗試合が開催されるらしい。
それも不定期開催のため百年ぶりなのだとか。
学校は変な熱気に包まれて、僕は深く長いため息をついた。
まるで面白くない。
なぜなら出場できるのは各校一人ずつ、それも十七才以上の生徒ときた。
僕の出る幕はないらしく、本当に残念だ。(本当だぞ!)


周りでは我が校の代表はスリザリンから出るべきだとみんなが騒いでいる。
何が嬉しいかと言えば、いつも何かと出しゃばるポッターに出場する権利がないことだ。
ところが隣でクラッブとゴイルと談笑しているザビニは何よりホグワーツに美女集団がやってきたことが嬉しいらしい。
ボーバトン魔法アカデミーだ。



「一人残らず全員美人だったよ。あれには驚いた」



感心するようにザビニが言う。
果たして彼は本当に全員の顔を見たのだろうか、そんな疑問が浮かぶ。
美人にうるさいザビニが言う通り、あの学校の生徒は美人だ。
彼女たちが大広間に入場するなり会場はざわめき、男女問わず皆がうっとりした。
校長がやけに大きな女性だったことは覚えているが、僕はこの美女集団よりその後に入場する学校に興味があったのであまり見ていなかった。


ダームストラング専門学校はクィディッチのブルガリア代表のビクトール・クラムがいる。
僕は試合を見に行ったこともある。
だがそれより、僕はこの学校に入学する可能性があったので興味が湧いた。
父上は僕をホグワーツよりダームストラングに入れたがっていたらしいが、母上に反対されたそうだ。
このことをザビニに言ったら「君はダームストラングにしては華奢だよ。それにそのプラチナ・ブロンドの髪も合わない」と言われた。
華奢と言われたのは気に食わないが、確かに彼の言うこともわかった。
僕はホグワーツに入学して正解だったと思う。



「誰が選手に選ばれるかな」

「スリザリン生が相応しいに決まってるよ」

「少なくともグリフィンドールからは出てほしくないね」



生徒らの会話に頷きたくなる。
グリフィンドールから代表が出ようものなら僕は苛立ちでどうにかなるだろう。
あの寮は目障りで仕方ない。
ゴイルの食べている百味ビーンズに手を伸ばせば、彼が少し不満げな顔をしたが、無視した。
すると隣にパーキンソンが座った。
彼女は僕に気がある。



「ドラコは出場できなくて残念ね」

「ああ」

「もしあなたが十七才以上だったなら、必ず選ばれていたと思うわ」

「だろうね」



パーキンソンが僕の腕に自分の腕を絡ませてきたが、僕は気にせずに百味ビーンズをまた口に放り込んだ。
他の寮から嫌われているとはいえ、スリザリンでの僕の人気は絶大であると自負している。
その中でもパーキンソンほどこうも遠慮なく僕に纏わりつく女はいない。
最初は驚き嫌に思ったが今では慣れたし、好かれるということは気分が悪いこともない。



「でも試合の他にもイベントがあるみたい。楽しみね」



パーキンソンが言う。
僕はとりあえず頷いた。
しかし口に含んだ百味ビーンズがハナクソ味で、僕は顔をしかめて咳き込んだ。
最悪だ。

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