「…なんでいつもお腹に出すの」
「えー?いいじゃん別に?」



中には出してないんだし?と軽い調子で言う喰。ちゃんとゴムつけてるんだからそこに吐き出せばいいのに。



「私がイヤなのっ」
「なんで??」
「身体ベタベタになるじゃん」
「それはぼくのせいだけじゃなくない?」
「っ」
「ナナシだってシーツものすごい汚してるんだからね」
「うるさいっ」



本当に喰に口で勝ったことがない。いつも私が抑え込まれてしまう。



「ほら、見て」
「?」



喰が私のお腹辺りを指さす。何だろうと思って上半身を動かして目をやれば、彼が指をさしていたのは私の臍であったということを理解し、そしてそこには彼が出した欲が溜まっていた。



「なんかさ、綺麗じゃない?ぼくこれがやりたくていっつもお腹に出してんだよね」
「何してんの…」
「エロさと同時に神秘的じゃない?」
「人のお臍にそんなもの求めないでください」



なにこれ。性癖なのただのフェチなの。いずれにせよ喰の感覚は他の人とは違う。臍に溜まった精液の何がいいのだろう。そんなことを考えていたら喰がそこに指を置き、掬うようにして精液を絡め取る。



「ナナシ、舐めてみて」
「えー…、」
「おねがい」



なんでこんな時にそんなまっすぐな瞳を向けるのだろう。指についている量は少なかったため、私が決心するのに時間は全くかからず、ペロリ、とそれを舐めた。



「……苦い」
「そんなに?」
「喰も舐めてみたら」
「やだよ、なんで自分の精液を舐めなきゃなんないのさ!」
「なら私にもやらせないでよ」
「ナナシの出すものはぼくが全部綺麗に舐めてあげたじゃない」
「!!」