「最近お前でヌくことが多くなったなぜかわかるか」



テーブルに肘をつきながら大真面目な顔をしていうアホ峰くん。



「わたしがやらないから?」
「そうだ」
「だって大輝とやると一回で済まないからヤダ」
「うるせー、つかヤらせろ」
「やだやだやだやだ」
「そんな全力で拒否んな、傷つくわ」
「え、ごめん」
「謝るくらいなら挿れさせろ」
「セフレかわたしは」
「ばか、んなこと言うんじゃねーよ」



顔が近づいてきてぺろっ、と唇を舐められる。ん、この感じ久しぶりだ。



「でもこれはだめだろ、熟年夫婦かおれたち」
「………」
「最後にヤったのいつか覚えてるか?」
「とうに忘れた」
「3週間と2日前だ」
「なんで覚えてんの」
「おれにとっては死活問題なんだよ」
「なに、やれないと死ぬの大輝?」
「ああ、死ぬ」
「なにそれネタじゃん(ぷふー!)」
「………」



雑誌で頭をたたかれた。痛い。最近の雑誌って意外と重量あるんだから!両手で頭を押さえていたら、がっ、と顎をつかまれ正面を向かされる。そこにはまた大輝の顔があった。



「なんでヤりたくねーんだ?」
「なんでって言われても…」
「死活問題とか以前にそこまで嫌がられるとこっちもヘコむんだよ」



こつん、と大輝の額がわたしの額に当たる。そして、小さな溜息。



「おれのこと嫌いか?」
「んーん、好きよ?」
「じゃあなんでだめなんだ」
「大輝とやると時間長いもん」
「短くすっから」
「前もそう言ってちょー長かった」
「………」
「それにわたしが死にそうになる」
「?」
「だって気持ちいいんだもん」



目の前にある大輝の目がぱちくりとまたたく。



「……ならいーじゃねーか」
「気持ちいいのにさらにその時間まで長かったらほんとどうにかなるって」
「それはお互い様だろ」
「とりあえず長期戦はダメ、ゼッタイ」
「どんくらいならいいんだよ」
「1ラウンド」
「シネ」



今度は素手で頭をはたかれた。まじで暴力反対っす。



「そんなんで満足できるわけねーだろ!」
「なんで!じゃあやってあげないもんね!」
「ぐっ、」
「もっとやりたかったら一人でやればいいじゃん?」
「そんなんこの3週間の間に何度もやったっつの!」
「これからもがんばれ」
「…他の女捕まえるぞ?」
「…………それはやだ。てかそーいうことするの大輝」
「なっ、しねえよ!」