「大地、」
「んー?」
「暑い」
「そうだなあ」
「だから離れて」
「えっ」



現在の状況を説明しますと、大地に盛られてます。がっつり覆いかぶさってきてます。やだよやだよこんなクソ暑い日にセックスなんてしたくないよ。



「顔そらすなよなー」



明るい声色でそういって首筋に顔をうずめてくる彼。



「だって暑いんだもん」
「じゃあクーラーでもつけるか?」
「何が何でもやりたいんだな」
「まあなー。てかなんか今日のナナシやらしい」
「ええ?」
「暑いからかな、なんとなく顔赤くなってるし、」
「そんだけ暑いってことだよ」
「まあ冬は冬でぷるぷるしてて可愛いけどな」



ぷるぷるってなんだ。わたしは小動物か。



「それかシャワーでも浴びるか?」
「あ、それいいね」
「で、風呂場でヤろう」
「……大地」
「そんなうんざりした顔するなよ」



そしてちゅっと軽いリップ音とともに唇を奪われる。あ、大地の唇冷たくて気持ちいい。



「大地もっかい」
「何を?」
「ちゅー。なんかひんやりしてていい感じ」
「ナナシの唇があったかいんだって」
「いいからー、あ、舌は入れないでね」
「えー」



不満そうな顔をする大地を無視して唇をくっつけた。気持ちいーとか思ってたら大地の唇が少し動き、舌でわたしの唇をつんつんとつつかれる。舌を入れさせろってか。でも今日はそんな気分じゃない。そしてわたしは自分から唇を離した。



「口開けろよな」
「舌は入れるなって言ったじゃん」
「あとでめちゃくちゃやってやるからな」



覚悟しろよ?とばかりの顔で言われたわたしは、彼によって半ば強制的に浴槽へ連れて行かれたのだった。