今日、ナナシの両親は用事で家を一晩空けるらしい。だから久しぶりにこいつん家に行った気がする。おれの家の方がナナシの家よりも学校に近いこともあって、いつもナナシが立ち寄っていくのもコトをするのもおれの家だった。家に入れば、普段なら入らないリビングに通してくれた。ナナシが飲み物を用意し、二人でソファに座って他愛もないことを話していたけれども、いつもと違う場所や雰囲気に不思議とおれはムラムラときてしまった。おれってまだまだ若いな、と安心する。そしてナナシをソファにゆっくりと押し倒したのだった。



「て、鉄朗っ!?」
「ワリィ、ヤりたくなった」
「え、でもここリビングだし…!」
「たまにはこーいうとこでもいいじゃん?」
「でもっ」



まだ反論してくるナナシの口を自分ので塞ぐ。とはいってもここはナナシんちだし、家族も使うソファでヤんのは気が引けるのかもしれない、とそんなことが一瞬頭をよぎったが、口内で蠢く自分の舌にナナシも自ら舌を絡めてきてもうそんなことどうでもよくなった。



「やべえ」
「なにが、」
「すげー興奮すんだけど今日」



ナナシの手を自分の中心へ持っていく。ソレに触れた途端ナナシの顔が一瞬固まった。



「な、どうしたのこれ」
「ナナシんち来たからかもな」
「もう、呼ばなきゃよかった」
「…それ本気で言ってる?」
「………言って、ない」



おれがずいと顔を近づけて口を小さく開けると、ナナシがちゅ、と、下唇に啄むようなキスをした。



「ナナシ、もう濡れてるか?」
「…わかんない」
「触るぞ」
「ん、」



制服のスカートを捲り、下着の隙間から指を差し込むと、すぐに粘着質なものが自分の指に絡みつくのが分かった。



「めっちゃ濡れてんぞ」
「言わないでよ…」
「ほら」
「見せなくていいっ」



ナナシが顔を背ける。



「なあ、今日はもう挿れていいか?」
「え、」



早すぎる、とでも言いたそうな顔をしてナナシがおれを見る。確かに、いつもはもっと胸とか身体をたくさん触ってからだし、驚くのも無理はない。だけど、今日は状況が違う。



「ナナシも触っただろ、おれの」
「う、ん」
「もー、ガマンできねー」
「でもゴムがないよ」
「おれが持ってる」



ほれ、と手にあるそれをナナシに見せてやる。もしもの時のために常に財布ん中に入れといてよかった、ほんと。もしもという日が今日訪れたのだから。おれはそれを開封し素早く装着した。



「挿れんぞ」
「痛くない?」
「お前も十分濡れてっから大丈夫」
「う、ん」



自身の先端をナカに少し入れるとナナシがおれの腕を強く掴んだ。やべ、やっぱ痛かったか?



「痛いか?」
「ふっ、う、大丈夫…」
「そうか」



そしておれはずっ、と奥まで一気に貫き、それからはただ本能のままに快楽を求めた。



「はあっ、ナナシ…っ、」
「あっ、や、んあっ…てつ、ろっ、」
「も、イきそうだ、っ」
「イっていい、よっ、」
「っ、今日は、顔に、出していいか…?」
「うっ、ん」



いつもはこんなことしない。けど、なんとなく今日はいつもとは違うことをしたくなった。おれはがんがんと腰を打ち付け、限界がきたらナナシから自身を抜き、覆っていたゴムを取って、ナナシの顔に欲をぶちまけた。そしておれは自身をナナシの口の前へと持っていく。



「ナナシ、舐めて」
「ん…」



ナナシがソレを舐めている時にも、一気に出し切れなかった欲がナナシの口内を汚してしまう。しまった、と内心少し焦るおれ。



「ナナシ、吐け」
「え?」
「口ん中のモン吐いていいぞ?」
「…?」



火照った顔で不思議そうな表情をするナナシ。おれが吐けって言ってんのに一向に吐こうとしない。



「………もしかして飲んだのか?」
「ん、」
「おい、口開けてみろ」



開けられた口の中にはおれが出したハズのものが跡形もなく消えていた。まさか本当に飲み込むとは。



「苦くなかったか?」
「…ニガかった」
「あんなもん飲むんじゃねえよ」
「だって鉄朗が出したから」
「あれはわざとじゃねえっつの」



そしておれは溜息を吐きながら近くにあったティッシュを取ってナナシの顔を綺麗にしてやるのだった。



「こんなこと普段はだめだからね」
「わかってる」
「なら良し」
「でもおれの精液かかったナナシすげーエロかった」
「顔に出すとかAV見すぎでしょ」
「そんなに見てねーよ」
「でも見てるんだ……」