「うっ、…も、やめろって…!」



ベッドの上で横たわるエレンがつらそうな声を上げる。だけど私はそれを無視して身体に手を這わせ、小さく立ち上がった胸の突起をぺろ、と舐める。すると、エレンの身体がびくりと揺れる。さっきからこの繰り返しだ。



「もうエレンてばほんとかわいい」
「か、可愛いなんて言うな…!」
「だってほんとのことだもんねー」
「あっ、」



そもそもなぜこんなことになったのか。最初はいつも通り私がベッドに横にされて、その上にエレンがいた。服を脱がされて、身体のいたるところを触られた。これも普段と同じ。そして胸をむにむにと揉まれていたとき、エレンがふと私に尋ねてきた。



「…なんで女ってこんなに胸でかいんだろうな?」
「わかんない…」
「オレはぺったんこなのに」
「だってエレンは男でしょ」
「でも女みたいに乳首はついてるぞ?」
「男も女もあるでしょそれは」
「男の乳首ってあっていいことあんのかな?」
「……さあ?」
「女は舐められたりしたら気持ちいいんだろ?」
「ん、まあ…」
「じゃあ男もそうなのかもな」



そう言うとエレンは私の上から退き、私の横でごろりと横になった。予想外のことに私の脳内にはクエスチョンマークが浮かぶ。



「エレン何してるの?」
「ナナシにもオレの胸を楽しんでもらおうと思って」
「…はい?」



思わず聞き返してしまった。彼の言っている意味が理解できないまま身体を起こされる。そして右手を取られ、その手は彼の胸の上へと誘われた。



「オレの胸、触って?」



それからはまるで私が主導権を握ったかのような雰囲気だった。といってもエレンの胸なんか見ることあっても触ることなんてほとんどなかったからどうしたらいいのかわからなかった。だからとりあえずいつも自分がされていることの真似をすることにした。エレンのそばに座って、片方の突起を摘む。



「……どう?」
「んー、なんともない」
「ぜんぜん?」
「おう、やっぱ男には効果ないのかもな」



やっぱり気持ちいいって思うのは女だけなのか。そう思いながらもその突起を捏ねたり爪を引っかけたりする。爪を引っかけた瞬間、エレンが小さく息を呑むのが分かった。指を離すと、触っていないほうと比べてぷっくりと膨れ上がっているように見える。



「エレン、感じてるでしょ」
「ん、そうなのか…?」
「だって立ち上がってるもん乳首」
「ほんとか…?」
「うん、それにちょっと硬いし」



きゅ、と少し強めに摘めばエレンの身体が小さく動いた。ほら、やっぱり感じてる。徐々にエンジンのかかってきた私は今度は逆の方の突起を触りにかかる。



「舐めていい?」
「、そんなことしてくれんのか?」
「だってエレンが私にいつもやってくれてるから」
「ん…なら頼む」



先ほどまで弄っていた突起に手を置いたまま、もう片方の残された方の突起には身体を少しずらして舌を伸ばす。そして舌先でツン、とつつく。その瞬間エレンがベッドのシーツを左手でぎゅっと握りしめるのが視界に入った。



「さっきとは違う感じ?」
「な、なんかこっちのほうがすげぇ…」
「どうすごい?」
「ん、よくわかんねえ…」



今度は舌全体を使ってべろり、とそれを舐め上げる。エレンがあっ、と小さく声を上げたのを私は聞き逃さなかった。歯を立てて甘噛みすればすでに反応した方のそれと同じ状態になった。私はそれを舐めつつ、手を置いたままであったもう片方の突起も爪でひっかいてみる。



「ぅ、あっ……!」
「エレン、ものすごく感じてるー」
「ん、な、んかやばい…!」
「ほら、こっちも反応してるよ」



私はエレンの下半身を指さす。それは下着の上からでもくっきりと形が分かった。そして下着の一部が湿っている。私はそれからしばらく舐めたり噛んだり抓ったりを繰り返して彼の反応を楽しんだ。気が付けばエレンの顔は赤くなり、口は小さく開き、目はうつろとなっていた。



「エレンってばエロい…」
「ナナシのせいだっ…!」
「だって触ってって言ったのはそっちじゃんかー」
「こんなになるなんて思わなかったんだ!」
「てか今日は最後までこの感じで行く?」



私がそう聞けば、表情を固まらせたエレンはがばっと身体を反転させてうつ伏せの状態になった。



「どうしたの?」
「これならもうナナシに触られないだろっ」
「お尻と背中がありますけど」



私が背骨にそって指をすうっと走らせればまた身体をびくつかせるエレン。ほんと可愛い。



「っ、今からオレが上だからな!」
「もう少しでSに目覚めそうだったのに」
「目覚めなくていいっ」



そして私はぼふんとベッドに倒されたのであった。