※学パロ(高校生)





「暑い……」



土曜日。いつもに時間に目覚めたオレはタンクトップとハーフパンツ姿に着替え、ベッドで仰向けになりながら、ぼーっと天井にある小さな汚れを見つめていた。なんで今日はこうもムシ暑いんだ?暑くて動くことすら億劫に感じる。おかげで朝食を逃してしまった。まあこんなに暑いと自然と食欲もなくなるわけだが。



「あー、ダリィ……」



そう小さくつぶやいて寝返りをうつ。その時、ガチャリと部屋のドアノブが回る音がした。突然のことで脳内で警鐘が鳴ったが、入ってきた人物の声を聴いてそれはあっという間に消え去った。



「いつまで寝てる気だよオマエ?」
「エレンか…」



声のする方へ首だけ捻る。



「お前の部屋に入る奴なんてオレくらいしかいないだろ」
「そのまるでオレに友達がいないような言い方やめろ」
「だって事実だろ?」
「んなことねえよ。それにオレにとってお前は恋人だ」
「げ、よくそんな恥ずかしいこといえるなお前」
「事実だろうが」



その時オレはエレンが何かを持ってきていることに気が付いた。



「それ、なんだ?」
「あー、朝食だよ」



今朝食堂に来てなかっただろ?、と言ってそれをオレに手渡す。ゆっくりと起き上がってそれをまじまじと見れば、どうやら今日の朝食はサンドイッチだったらしい。長方形に切られて綺麗にラップに包まれている。



「せっかく持ってきてやったんだから食えよ?」
「……食欲ねえ」
「おま、本当にジャンか?」
「うるせー、こんだけ暑かったら食欲もなくなるわ」
「おいしかったぞ?」



エレンは自分から渡してきたくせに、すぐにオレの手からサンドイッチを奪い取ってペリペリとラップをめくっていく。そして一つをつまんで口に入れた。



「オレのじゃねえのかよ…」
「もともとはオレのだっつの」
「は?」
「オレの分を残して持ってきてやったんだよ」



もぐもぐと口を動かしながらそういうエレン。ちょっと待てそれ2つ目だろお前。



「…言ったらオレの分貰えたんじゃねえの?」
「んなの恥ずかしいだろうが」
「なんで」
「…なんかお前に気があるみたいで?」
「本当のことだろ」
「ん……でもそういうのを陰でコソコソ噂されるのいやだし」
「そうか?」
「オレはそーいうの気になる」
「なら思い切ってみんなに言うか?」
「なんでそーいうことになるんだよ」
「でも気づいてるやつは気づいてそうだけどな…アルミンとか?」
「そういうのは仕方ない」
「…お前言ってること矛盾してるのわかってる?」



そんなことを話しているうちに持ってきてくれたサンドイッチの半分がエレンの胃袋に収まっていった。



「ホラ、ジャンも食えよ」
「…食わせろ」



あ、と口を開ける。エレンはガキじゃねえんだから、とか言いながらも一切れのサンドイッチを取って口元まで持ってくる。ホントのところこんな暑い日にこんなパサパサしたものを食べたくはなかったが、エレンがここまでやってくれたのだから食べないわけにもいかないだろう。オレは一気にサンドイッチを口に入れた。そして必然的にエレンの指も。



「いっ……!」



エレンのほうをちらりと見やる。顔を引きつらせていた。それはもうものすごく。だってオレの歯がエレンの指を噛んで離さないのだから。サンドイッチを食べるためにオレが口を少し開けると、すぐにその隙間から指が抜かれる。その指からはオレの歯形がくっきりと見て取れた。



「いってぇ…!」
「そんな強く噛んでねえよ」
「でも跡がついただろうが…!」



どれ、と手首をつかんで再びその跡を見つめる。そしてその指を口に含み、ねっとりと舐め上げてやる。



「っ、ジャン…!やめろって…!」
「なあ、気持ちいいか?」
「わ、っかんねえ…!」



舌を伸ばして指の付け根の方まで舐めると、エレンの身体が小さく震えるのがわかった。



「ここ、弱いのか?」
「っ、う」



もう一度ぺろり、と舐めると今度は息を呑んだ。完全に感じてんじゃねーか。オレはしばらく口の中にある指を舐めることに集中した。エレンが何度も指を引き抜こうとしたが、手首をつかんでそれを阻止する。



「もっ、やめろってば…!」
「気持ちいいんだろ??」
「変なカンジだっ…!」



半泣き状態の潤んだ瞳で睨まれ、下半身が疼くのを感じた。やべえ。



「なあ、」
「指を、離せって…!」
「サンドイッチはいいからエレンを食わせろよ」
「…なに言って、っ」
「お互い興奮してることだし?」



そういって空いている方の手をエレンの中心に置く。思っていた通り、勃っている。オレは口にあった指を解放し、顔を赤くさせたエレンを立ち上がらせてベッドに座らせる。



「てっとり早い方法で全部出しちまおうぜ」
「………そう、だ、な」



その言葉を聞くや否やオレはそのまま押し倒して噛みつくようなキスをした。