:: Look fidgety.
ジョーカーさんが来ると決まってからというもの、シーザーの行動がどこか落ち着きがない。ソワソワしている。
「シーザーソワソワしすぎだってば」
「このオレがソワソワだと!?なんぜそんなことしなきゃなんねェ!ソワソワなんて、ソワソワなんてこれっぽっちもしてねェよ!」
「何回ソワソワ言うのよ」
「フン!」
「それはそうとジョーカーさんいつ来るんだろうね?ていうか誰なのその人?」
「なっ、お前知らねェのか!?」
「え、そんな有名な人?」
「当たり前だろ!」
全然知らなかった。私が知っている人間の中でジョーカーなんて名前の人はいないはず。あれ、ただ単に私が時代遅れなだけ?
「ねェ、何者なのジョーカーさんって」
「シュロロロ…待ってろ今絵を描いてやる」
「あの、口頭で言ってもらえればいいんですけど」
「…………………出来たぞ!」
どーん、と目の前に出された絵。ていうか近い近い。逆に見づらいわ。
「シーザー、これ人間?」
「もちろんだ、シュロロロロロ!」
「…研究者って絵も上手なのかと思ってた………」
「おいなんだその落胆ぶりはっ」
だってどう見たって人間には見えない。もしかしてジョーカーさんって人間じゃないのかな。いや、でもちゃんと人の言葉話してたし。これはシーザーの画力に問題があるようだ。
「せっかくオレが描いたんだ、記念にもらっとけ」
「…ジョーカーさんにあげたら?」
「バッ、そんなことしたら何されるかわからねェ!」
「え、なに怖い人?」
「だってあのドンキホーテ・ドフラミンゴだぞ!?」
「……は、」
「シュロロロロ!名前くらいは知ってんだろう?」
「知ってるどころか超有名人じゃん…!」
「まァ、よくよく考えてみればジョーカーってのは裏の世界での名前だからな、知らなくて無理もない」
「どうしようシーザー」
「どうした?」
「私、王下七武海の一人に気に入られちゃった…!」
「…っハァーーーーー!?」
どうしようあの電話の相手がそんなにすごい人だなんて思ってもみなかった…!思いっきり普通に会話しちゃったじゃん私!いや、むしろそれってすごくない!?脳がこれまでにないくらい急速に回転する。どうしよう研究所を掃除しておいたほうがいいかな、いや、しなきゃだめだよねこの場合。
「ナナシ、気に入られたってお前いったい何を話したんだ…!」
「え?シーザーのことだよ?」
「オレのことだと?……はっ、まさか俗に言うノロケというやつか…!?」
「ううん、シーザーはいつも気色悪いよって話してた」
「お前というやつはッ……!ぐすっ」
「ああ、ごめんね、だから泣かないでよシーザー」
彼に近寄って頭をぽんぽんと撫でる。だけど間近で王下七武海の一人を見られることが少し楽しみだったり。