マスターとの楽しい日々! | ナノ
:: Who are you?

ぷるぷるぷるぷる



「シーザー、でんでん虫が鳴ってるよ」
「ハァー?ナナシ出てくれ」
「えー、めんどくさいよ」
「お前雑用だろうが」
「私はシーザーの恋人だもん!」
「シュロ…そんな改まって言われるとテレる……じゃなくて電話を取れェ!」
「ちぇっ」



上手く丸め込むことが出来なかったか。ここにかかってくる電話の相手って大抵が怖そうな人ばっかだから出たくないんだよなあ…、ていうか最近シーザーのノリツッコミのレベルが上がってきている気がするのは私だけ?



「はい、もしもし」
「ん?誰だテメェは」
「シーザー・クラウンの恋人兼助手です」
「恋人兼助手…?…あァ、もしかしてお前がナナシか」
「、私のこと知ってるんですか?」
「シーザーから話は聞いてるからな」
「え、何て」
「あんな気色悪ィシーザーを見たのは初めてだったぜェ?」
「気色悪いのは通常運転をしている証拠です」
「フッフッフ!それもそうだな」
「はい」
「なかなか面白ェ奴だなお前。気に入った」
「ありがとうございます」
「顔が見たくなった。今度会いに行くから待ってろ」
「はい。えっと、それで、ご用件は?」
「急ぎのことじゃねェからそっちに行った時に済ませることにした」
「はあ、そうですか。あのお名前は?」
「シーザーにはジョーカーからだと伝えておけ」
「わかりました、ジョーカーさん」
「じゃあなナナシ」
「はい、また今度」



そして電話を切った。話してみればなかなか面白い人だったな。今度来るって言ってたけどいつ来るんだろう。聞いておけばよかった。シーザーの方へ目をやると私に背を向けて相変わらず変な音と煙を出しながら作業を続けている。



「ここに電話かけてくる人でも怖くない人っていたんだね」
「あァン?誰のことだ」
「ジョーカーさん」
「…………は?」
「だからジョーカーさんだってば」
「ッ、ハァァァアアアアァァ!?今の電話、アイツからだったのか!」
「うん」
「で、要件は!?」
「また今度にするってさ」
「今度?なんでまた…!」
「今度ここに来るみたい」
「なにィィィィイイイイイィィ」
「もう、さっきからいちいちリアクション大きすぎてうるさいよー」
「よりにもよってナナシと話してしまうとはっ…!」
「私に会いに来てくれるんだってー」
「ダメだ!絶対にダメ!アイツには会うなナナシ!」
「えー、なんで」
「ナナシがアイツにホレたらオレァどーしたらいいんだ!」



いつも来ているヒラヒラの服の袖をハンカチ代わりに噛むシーザー。少し涙目になっているのが無性に可愛く見え、私は近づいて彼の頬を撫でた。



「大丈夫だって。私はシーザーの恋人だもの」
「シュロ…その言葉に嘘はねェだろうな」
「うん」
「証拠は」
「ないけど、ちゅーくらいならしてあげる」
「よしそれでいいからしろ」



私は軽くリップ音を立てて彼の唇に口づけを落とした。



「…言っとくけどお前は雑用兼恋人だからな」
「せめて恋人兼雑用にして」
「シュロロロ、それならいいだろう」
「あ、やっぱり恋人兼助手で」
「助手と言えるほどの働きをしてないだろうが」


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