:: I made irresponsible remarks.
「おい朝だ、起きろナナシ」
「……もうちょっと、だけ…」
「シュ、シュロ、かわいいやつめ…!だがオレはそんな気が長くねェんだ…!」
「…………うっ………シーザー……!」
「シュロロ、やっと目が覚めたか」
「げほっ……っ、人を起こすのにわざわざ酸欠状態にさせないでよ…」
「起きないヤツが悪いんだ」
ガスガスの能力で周囲の空気を奪われて目が覚めたから寝起きは最悪だ。なんで目覚めたら死にかけてるわけ私。おかげで服を着替えた今でもテンションが上がってこない。
「なにムクれてんだ?」
「…別にー」
「別に、ってことはねェだろう」
「…今日は私一人で出かけてくる」
「おい、それはダメだって何度も言ってんだろうが」
「たまには一人でもいいじゃんか」
「な…!ついにオレに愛想が尽きたのかナナシ…!」
「シーザー、そうじゃなくてね、」
シーザーがベッドの側でorzってなっている。シーザーのせいで不機嫌になってるのに、今のこの状況ではまるで私が悪いみたいじゃないか。私は小さくため息をついて彼の横にしゃがみ込む。
「私はもう子供じゃないんだよ」
「だが、」
「シーザに拾ってもらった時は子供だったかもしれないけど今は違うよ?」
「それでも心配なんだよオレァ」
シーザーの顔からはいつもの笑みはなく、至極真面目な顔をしてこちらを見てくる。本当に心配してるというが私にも伝わってくる。そんな顔をされたら無理やり制止を振り切って出かけることなんて出来やしない。
「じゃあ、せめて時間を決めるとか」
「時間か。どれくらいだ?」
「5時間くらい?」
「馬鹿か!ナナシ、お前は馬鹿なのか!」
「バカって言う方がバカなんだからね!?」
「そんなことはねェ!なぜならおれは世界一の科学者だからな!」
「それは今はいいから!じゃあ3時間は?」
「さ、3時間か…」
床の上で腕を組み、歯からギリギリと音を立てながらかなり悩んでいる様子のシーザー。あと一息だと踏んだ私は彼の腕を掴んで懇願する。
「3時間したらここに戻ってくるから!ね!おーねーがーいーーー!」
「シュ、シュロロロロロ…」
「それにシーザーのために何かプレゼントしたいの!」
「なに…!」
一瞬シーザーの動きが停止した。そして目だけを動かしてこちらを見る。
「…そ、それは本当なのかナナシ……!?」
「うん、ほんとほんと」
「お前というヤツはッ…!」
シーザーの変なツボにまた入ってしまったのだろう。涙目になって鼻をすすり始めた。行きたいがためにでまかせを言ってしまったが、これで何とか一人で出かけてもよさそうな雰囲気になってきた。シーザーに何か買ってくるのを忘れないようにしよう。
「っ、3時間だけだからな!時間になったらすぐにここへ戻ってこい!いいな!?」
「やった!シーザー大好きー!」
「シュ、シュロロロロロロ…!!だ、抱き着くんじゃねェよ!」
こうして私は時間制限有の自由行動を与えられたのだった。