:: Are you a hermit?
「シュロロロ…やっと着いたぞ……」
「おおおおおおお…!!」
結論から言えば無事シャボンディ諸島には到着した。でもこの私の隣でぐったりしてる科学者がしっかりしないせいで地図を読むのに多大な時間を要し、大きなタイムロスを生んでしまった。
「シーザーって地図読めないんだね」
「普通なら船なんか乗らねェんだよオレは!」
「え、ひきこもり?」
「違うわァ!」
船を近くの岸へ寄せて島へ降り立つ。未知の場所に対する興味が強すぎてどこかへ駆け出しそうだ。シーザーにがっちりと腕を掴まれてそれはできなかったけど。
「シュロロ、さて、どこへ行くか…」
「シーザー、手離してよ」
「ダメだ」
「なんで」
「言っただろ、オレの傍から離れるなと」
「離れないよ」
「分かんねェだろ」
「分かるよ」
「いや、分かんねェ」
「…私のこと信用してないの…?」
「シュ、シュロ、そんなわけねェだろう…っ!」
私が暗い顔でうつむき加減にそう言うとシーザーが焦った様子でガバッと私を抱きしめる。
「じゃあ離してほしいな」
「し、仕方ねェな、」
「うわーい!」
「(はっ、しまった!)どこ行く気だコラァァァアアアァァ」
後ろから聞こえた怒号で私はふと我に返る。そうだ、まだ目的地がない。走ったところでどこに行けばいいんだろう?私は後ろを振り返り、シーザーの方を向く。
「シーザー!」
「あァ!?」
「どこ行くーーーー!?」
「だから今それを考えてんだろうが!戻ってこいッ!」
私は渋々シーザーの立っている方へ歩き出す。シーザーがこっちまで来てくれたらいいのに。彼の前まで行くとまたしても腕を掴まれた。
「もー離さねェぞ、オレァ」
「やだやだ離して自由が私を待ってる」
「なにワケのわからんことを言ってんだお前は」
「それにずっと腕掴まれてたら歩きにくいよ」
「迷子になったお前を島中探すオレの身にもなってみろ」
「迷子になってるのはシーザーかもしれないじゃん」
「なるほどそれもあり得る…、ってんなわけあるかァ!」
「もう……じゃあ普通に手をつなぐのでどうよ」
私が提案するとシーザーの頬が少し赤くなる。やだ可愛すぎでしょ。今まで手なんて何回も繋いでるっていうのに。
「シュロ…それならいいだろう」
「シーザー顔赤い」
「赤くねェよ!」
「じゃあ行きましょー」
私はシーザーの手をとって立ち上がる。
「てかさこうして歩いてると親子みたいだね」
「そうか?」
「身長差けっこうあるし」
「あァ、まァな」
「シーザー老け顔だし」
「誰が老け顔だァ!」
「え?シーザー」
「繰り返すんじゃねェェェェエエエエェェ」
「そんなことで涙目にならないでよ」
「な、なってねェし!涙目なんかなるわけねェし!」
「はいはい」