なんでこんなにあいつが無防備なのか、俺には全然わからない。
俺が見ている範囲であいつに話してかけてきた男なんか全員、顔をうっすら赤く染めていて、それから読み取れることなんて簡単なことだ。けど、肝心のなまえがその全部の好機の目に何も気づいてねえし、むしろ笑顔を向けているもんだからいつか誰かに襲われてもおかしくねェと思った。
誰かに襲われるくらいならいっそこの手で、
「ぁ、っ―、」
「っく、ぁ」
手で必死に口を押えて声を我慢しているなまえは今、俺の下で、俺に抱かれている。他の誰でもない俺に。この事実だけで俺はもう軽く興奮してる。
もう何度目かも分からないほどこいつの中に射精をして、倦怠感に包まれるもまだまだ俺はなまえに欲情していた。一度俺のものを引き抜いて、ゴムを抜き取るとそれの端を結んでゴミ箱にほおり投げる。そして、替えのゴムはポケットにもう一枚も入っていないのを思い出した。
「も、いっかい、すんぞ」
「もっ、ダメだっ、て」
「っは、ごめんネェ」
口では謝りながら、またなまえの中にゆっくりと入れてなまえは嫌がってもちゃんと俺を受け入れて、締め付けてくる。今なまえの中にある俺のものは何にも包まれていない。直に感じるなまえの中は柔らかく暖かい。少し腰を動かすだけで俺のものに合わせて中が動いて、さっきの何倍もの快感が俺に襲ってきた。
俺も、ぶっちゃけ生でするまでやるとは思ってなかったけど、下で喘ぐなまえを見ているとどうにもやめられそうにない。
「はっ、ぁっなまえ、」
「あらきた、まさか…!あっああ」
「ゴムしてねェけど?無くなっちまったし」
「やあっ、だめっ、あっう」
「なまえチャン。今、それを言うんだったらさァ、なんで最初から言わないわけ」
ろくに抵抗もせずに、俺にやすやすと捕まってこうやって犯されて、いくら無防備だっていってもこんなにとは俺も思ってなかったヨ。なまえをトイレに引きずり込んで壁に押し付けて、すぐに事を始めた俺は最初からずっとよくわからなかった。抵抗されないのは嬉しいけど、こんなにされるまでなんでってな。
なまえの背中に手を回して抱きしめるようにしてまた腰を打ち付けると、やはり生で入れているからか水音が大きく聞こえてこの行為の激しさを表していた。
「っは、きもちい」
「やぁっ、荒北っ、んっ、っ」
「っ、出すからァ」
「いやっ、ああっ」
俺がそう耳元で言うと一段としまって、今度は何の隔てもなくなまえの中に出してしまった。孕んでしまえばいい、そう思いながら出し切るまで痛いくらいになまえを抱きしめて、息を整えながら待っていた。その間なまえも俺の背中に手を回してしがみついていたっていうのは、流石に俺も期待してちゃうんだけどォ?
なまえの唇に噛みついて口を割って舌をやわやわと噛めば小さな声を漏らす。
「あらきた、ど、して…」
「お前が無防備すぎるのがいけないんじゃナァイ」
「っはぁ、ん」
「俺の意識をさあ、お前が全部持ってちまうから、俺は」
そうすると、俺の頭に手を回してぐっと引き寄せて唇を重ねてきたなまえに俺は勘違いを起こしてしまいそうで。けど、俺はもうなまえの中に出してしまった。最中は全然気にも留めていなかった現実が一気に降りかかってきて、けどもうなまえは俺から離れられないんだと思うと優越感に浸れたような気がする。
そしてなまえからのキスを堪能していると、また俺の中の欲望がどんどんと大きくなっていく。
「勘違いしてもいいのかよ」
うっすらと目に涙を溜めているなまえと目を合わせてそう言うと、耳元で俺に小さく言った。
それを聞いてまた無我夢中で腰を打ち付け、気づけばなまえは気を失っていて、それに気付いた俺は俺の精液で膨れているであろうなまえの腹に手を当てると乾いた笑いが口から漏れた。
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