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「アンタ愛されてなかったんだねぇ。」

今日も自殺志願者に戯言を投げかける。
これは最近の俺の趣味だ。
”人間観察”

「でもさ、君が死んじゃったら悲しむ人が居るかもね。」

自殺志願者は虚ろな目でこちらを見る。

「君が死んだらどうなるか。世界はもちろん変わらない。君とゆう存在が世界から消えてなくなる。それだけだ。でも俺はわかるよ?」

いったん言葉を区切る。

「そうなることが一番怖いんだ、って。

世界に置いていかれてまるで最初から居なかったみたいなそんな扱いをされるのは怖いよね。生きてるのに、ここに居るのに、誰も君を認識してくれない。」

相手は微かにカタカタと静かに震えている。

「そんな底なしの恐怖から逃げたしたい?逃げ出したいよねぇ。だから、ここへ来たんでしょ?世界から居なくなるつもりで。」

自殺志願者はただ臨也の言葉に耳を傾ける。

「君は幸せだった?いつか幸せになれると思ってた?

あぁ、待ってた。って顔だね。いつか青い鳥が幸せを届けにやってきてくれる、そんな夢みたいな話あるわけないよね。だってアレは所詮安い作り話にすぎない。


幸せになんてなれないよ、青い鳥だって羽がもげればただのゴミだ。」



声の聞こえる方へ、ただ言われるがままに進む。
もう足場はなかった。
最後の記憶に残るのは男の紅い、錆びた瞳の色。








「ねぇ、シズちゃん。」

「なんだよ。」

「ドラマとかに出てくる死体に興奮したこと、ある?」

「あるわけねぇだろ変態。」

「ひどいなぁ、俺だってないよ。だったあんなの、リアルじゃない。俺が興味あるのは人がそうなるに至った経緯だけだよ。」

「てめぇの悪趣味に付き合ってる暇ねぇんだ。とっとと消えろ。」

「シズちゃんもさぁ、ピュアだよねぇ。ちょっとこうゆう話するとすぐ機嫌悪くなるんだから。そんなだから俺にすぐ騙されるんだよ。」

彼の怒りがそろそろピークに達するであろうことを感じ取った臨也は逃げ出す前に静雄の耳元で囁いた。

「騙され上手は床上手なんだって。」

自販機が宙を舞う。

「いぃーざぁーーやぁぁぁあー!てめぇいい加減にしやがれ!」


「あっはは!今度相手してよねー」




(シズちゃんは絶対に死にたい、なんてゆうキャラじゃないな。)


自殺志願者はそろいもそろってマヌケ面だ。
ネット、なんてものに深入りしなけりゃ俺と出会うこともなかっただろうに。
 (夜更かしも程々にしないと、朝から逃げられなくなるよ)
死にたい、なんてゆう割にプライドも捨てきれない、不幸自慢しか能がない。

滑稽だ、

くつくつと喉で笑う。



ああでもそんな反面シズちゃんみたいな人間もいるから人間観察はやめられない。
(都会に咲く花、みたい)



そんな人間離れした人間のことを思う。
(ああ、ほんと死んでほしいよ)




衝動的に書いてしまった。
原曲様の雰囲気を活かしきれてない気しかしませんが書いてて楽しかったです^^
以下素晴らしい原曲様^^





ペテン師が笑う頃に
作詞・作曲:梨本P
唄:初音ミク


愛されていたのは 君じゃなくて 僕自身さ
声の聞こえる方へ ひざまずいて 空を拝む

紅 錆びた色

死にたがりのピエロは 化粧もせず マヌケ面
夜更かしも程々に 朝が来るよ 逃げなくちゃ

何処へ

騙され上手は床上手 他人の不幸は蜜の味
アバズレ貴婦人 まる裸 渡る世間は バカばかり

ペテン師が笑う頃に 安い不幸自慢で
お涙ちょーだい
ペテン師が笑う頃に わめくキチガイ善人 
ピュアな人害

都会に咲く花のように なんて気付かなければ 
無意味な存在
明後日の今頃には その醜い身体を 
忘れてしまいたいの

ブラウン管越しの死体に 興味ないの リアルじゃない
そんなに怖いのなら 念仏でも 唱えなさい

南無阿弥陀仏

幸せを運ぶ 青い鳥 羽がもげれば ただのゴミ
騙されるアホに 騙すアホ 同じアホなら 笑いましょ

ペテン師が笑う頃に 薄っぺらいプライド
語ってちょーだい
ペテン師が笑う頃に がなる 自称教祖様 
酷い醜態

ありきたりなラブソング なんて 退屈過ぎて
聴きたくないわ
愛のカタチ 捜すよりも 先にするべきこと
何なのか知ってるでしょ

夢から醒めた 羊たちは
眠ることもできず 廻る 廻る

何時まで 何処まで
迷子なら さぁおいで

もっと愛せ 強くしゃぶれ
骨の髄まで

ペテン師が笑う頃に 安い不幸自慢で
お涙ちょーだい
ペテン師が笑う頃に わめくキチガイ善人 
ピュアな人害

都会に咲く花のように なんて五分もすれば
忘れる存在
明後日の今頃には その醜い身体を
忘れてしまいたい

敬意ある君にこの言葉贈るわ

死ね。



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