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「いざやぁ!!」

それは見慣れたいつもの風景。

のハズだった。

静雄がゴミバコを投げたその瞬間までは。

ゴッ!

鈍い音がして臨也がふっとぶ。
当然避けられると思っていた静雄は面くらう。
しかもそのまま起き上がらない。

困惑はしたが今がチャンスだと思い臨也に歩み寄り胸倉を引き寄せ無理やり起き上がらせる。

すると今までなんの反応も示さなかった臨也が急にバッと顔をあげる。
突然のことに静雄にほんの一瞬隙が生まれる。
その一瞬を見逃す臨也ではない。


ちゅっ



「・・・・・・・・ッッ!!」


なにをされたのかわけがわからず、やっと事の次第を理解した静雄の顔は
それこそほんとにリンゴのように真っ赤になった。


不覚にも唇を奪われてしまったことと、あのノミ虫が珍しくおとなしかったことに油断したこと、さらに羞恥があとからどんどん込み上げてきて

ドッカン!
「いざやぁぁ!」

一発頭突きをしてやろうと思ったが
すでにそこにはアイツの姿はなく

「ねぇシズちゃん、肉を切らせて骨を断つ、って言葉知ってる?」

上からあの憎たらしい声が聞こえてくる。
見ればいつの間にか歩道橋の上に瞬間移動してる。

「いざやぁぁぁ!てめえぶっ殺す!今すぐ殺す!」

「あれ、もしかしてファーストキスじゃないよねぇ」

「ッ!」

「うっそ図星なの?そりゃ悪いことしちゃったぁ」

これっぽっちも悪いと思っていなさそうな口調でそうゆうとひらりと歩道橋の上から飛び降りちょうど走ってきたトラックの荷台に飛び乗る。

ブチブチブチ

「じゃ、俺はシズちゃんの災害に巻き込まれたくないから。また遊ぼうね」

そういってひらひらと手を振りながらフェードアウトしてゆく。

「いぃぃぃーーーーざぁぁぁぁやぁぁあああ!!」


遠くでシズちゃんの雄たけびが聞こえる。
うーん愛されてるなあ、俺。

それにしても、あのシズちゃんの顔。
「反則でしょ。あれは」
真っ赤になった彼の顔を思い出す。


あんな顔絶対に誰にも見せるわけにはいかない。
どうやったら彼を振り向かせられるのか、
臨也の最近の興味はそればっかりだ。


押してダメなら引いてみろ、かな。





短い!続、く予定ではあります!
ただ途中で中編の項にお引っ越しするかもしれない。
いざやが乙女でうざやです^^


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