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セルティは静雄と偶然会った。
それは珍しいことじゃない。
彼は池袋で仕事をしている。
セルティも池袋を拠点に仕事をしている。

「さくら、咲きそうだな」

『そうだな、静雄は花見とか好きなのか?』

「まあ、嫌いじゃない。花見なんてもうずいぶんしてないけどな。」

『そうなのか?じゃあ今度みんなで花見をしよう。帝人くんとかも呼んでさ。』

「それもいいかもな。あ、わり、俺そろそろ仕事戻んねぇと」

『そうか、わるかった、引きとめちゃって。』

「いや、いい。アンタと話すのは嫌いじゃない」

そう言うと静雄はひらひらと後ろでに手をふって行ってしまった。


(さて、私も帰ろうかな。親羅にはやく帰るっていっちゃったし) 

そんなことを考えていると後ろからシューターの叫びにも似たいななきが聞こえた。

何事かと思い振り向いてみるとそこにはシューターのボディを10円でガリガリとこすっている臨也の姿があった。

(っな!?)

「やっぱ十円傷なんてつかないか―」

『こら!臨也やめろ!シューターになにしてるんだ!』

セルティは慌ててPDAを臨也に突き付ける。


「へぇ、シューターって言うんだ。コレ。」

シューターを物扱いされたことに怒りは覚えたが臨也とそんな言い争いをするなんて馬鹿らしい、と思い話題を変えた。

『なにをしてるんだ?こんなところで』

「別に、ただブラブラしてたら楽しげにシズちゃんが君と話してたから。腹がたってこのシューターとやらをいじめてたってわけ」

『?何で私と静雄が話しててお前の腹がたつんだ?』


すると臨也は座った目で答える。
「俺はさぁ、シズちゃんといつも一緒に居る上司も、シズちゃんと友達だ、なんてゆうアンタも、シズちゃんが溺愛してる弟も、シズちゃんのこと愛してる、だなんてゆう罪歌もみんな平等に憎める自信があるよ」


一瞬セルティは臨也が何を言ってるのかわからなかったが、前に親羅が言っていた言葉を思い出した。

(セルティ!静雄と友達なのはいいけどそう頻繁に会わないでくれよ!もし静雄が君の魅力に気付いてセルティのことを好きになってしまったらどうするんだい!?)


そう、つまりこれは

(俗にゆゔやきもぢってやつか)

臨也にもそんなかわいい一面があったのかと驚いていれば臨也はなおも喋り続ける。

「大体シズちゃんは隙がありすぎるんだよ。今朝だって家の鍵閉めないで出てっちゃうし、お昼はシェークだよ?あんな顔してさ、甘いもの好きなんだよ。そんな無防備だからうんたらかんたら」


(…前言撤回。かわいい一面ではなくストーカーの一面だった)


なおも喋り続ける臨也にPDAを見せる。


『静雄は臨也のこと、そんな嫌ってないと思うぞ』

すると臨也は一度言葉を切り

「俺のこと好きなシズちゃんなんて、キライだよ。」


(歪んでるな、コイツも)

『静雄、花見したがってたぞ』

「あっそ。」

『じゃあ私はそろそろ帰るから、もうシューターのこといじめたりするなよ。』

「そっちこそあんまりシズちゃんと仲良くしないことだね。

あ、そうそう今夜、仕事をひとつ頼みたいんだけど。いいかな。」

『…仕方ないな。』








深夜、急にセルティが家に訪ねてきた。

「なにかあったのか?」

『ちょっと仕事で…。悪いんだけど一緒に来てもらえないか?』

他でもないセルティの頼みだ。
静雄が断わるはずはない。

「別に、いいけどよ」

セルティは影でヘルメットを作り夜の池袋を静雄を後ろに乗せ駆け抜ける。
バイクはやがて都心から少し離れた小高い丘の上の緑のある公園で停車した。

『私が頼まれてるのはここまでだから』

そうゆうと颯爽と走り去っていってしまった。

(?なんなんだ一体)

すると後ろから聞きなれた声がする。

「シーズちゃん」

「なんでてめぇがここにいやがる。」

「シズちゃんをここに連れて来るよう頼んだのは他でもない俺だから。」

そうゆうと公園にある遊具のひとつのジャングルジムに上ってゆく。
わけがわからず突っ立っていると「ほら、はやく。」と手招きをされた。

しぶしぶと登って臨也が見ている景色を同じように見下ろす。

「綺麗じゃない?このへんじゃ一番はやい開花だよ。」
眼下には町の明かりに照らし出された早咲きの桜だった。

「悪くないな。」

そういって桜を見る静雄の背に寄り掛かる。

「シズちゃんさぁー、俺のこと嫌い?」

「うぜぇ。嫌いだ。」

「そう、よかっ
「でも、こうゆう行動は嫌いじゃねぇ。」


「……」
いつもなら飄々と言い返せるはずなのに臨也は言葉に詰まってしまう。

「嫌いじゃないのはこの行動だけで手前自体は大嫌いだ。」

「、褒め言葉だよ。」

(俺はシズちゃん相手だといっぱいいっぱいだ、)






レトロ様へ捧げます、相互記念小説です><
臨→→→←静で臨が静を好き過ぎて軽く引かれるイザシズとゆうリクだったのですが、2人の絡みが少なくて申し訳ないです><
レトロ様のみお持ち帰り・苦情可です^^!
行間やフォントなどはご自由にいじってもらって構いません^^
このたびは相互ありがとうございました!


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