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「なんだてめぇ!」

チンピラの1人が千景に殴りかかる。
「てめぇらに名乗る名前なんてねえよ」

そう言うと次々とチンピラ達を倒していく。


ドサッ。
最後の1人が地面に伏すまでにそう時間はかからなかった。

「アンタどうしちまったんだよ。俺を倒した平和島静雄はこんな弱くなかったよな?」

静雄はその様子を呆然と眺めていたが千景に話しかけられて我にかえる。

「っ手前、なんでここに、?」

「まぁ、詳しい事情はあとにして。とりあえずこれ、着ろよ。そんな格好されてたんじゃ俺の気が散る」

そういって自分の上着を静雄に羽織らせる。

「?あぁ、わりぃな」

静雄は気が散る、の意味がよくわからなかったがとりあえず上着を借りる。


「なんかあると危ねえから家まで送ってくよ」

「ざけんな、俺を誰だと思ってんだてめぇ」

「さっき襲われかけてた奴がゆうセリフじゃねぇと思うけどな」

「っ!」

「ほら、肩貸せって」

「ちっ!」


そして場所は静雄のアパートへと移る。

「で?あの平和島静雄がなんであんな弱くなっちまったんだ」

「俺が知りてぇくらいだ」

「なんか心当たりとか、きっかけとか、ねぇの?」

「きっかけ…」

そういわれて見れば前ノミ虫に会ってから一度も馬鹿力を使っていない気がする。
それと同時に心のもやもやがぶりかえす。

(コイツならわかるかもな)

自分より年下のはずだが静雄は千景には一目置いている。


「なぁ、ずっと1人の奴のことが頭から離れない時ってあるか?」

「…は?」

「殺したいと思うような奴なのに、いざ居なくなるとしっくりこない。」

「それは……」

たっぷりと間をあけて千景は答える。



「恋、だな。」

「こ、い…?」

「殺したいほど愛してるってやつだろうよ。そうか、アンタ恋してんのか!」

「………」

「じゃああれだな、恋患いってやつだな。いやぁ、アンタにも怪我したら看病してくれるような相手ができたのか!」

「………」

「そうゆうことなら俺は帰るぜ!ソイツに看病してもらいな、じゃお大事にな、」


ばたん、と爽やかに去っていく千景。


「…こ、い…」

もう一度言われた言葉を口に出してみる。
それは空気中に溶けて消えた。


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静雄の家を出ると背後から刺すような視線を感じて振り向く。

そこには黒髪の一見好青年、と言ったような男が立っていた。

「六条千景くん?」

「どちらさんだ?」

「名乗るほどのものでもないよ、ただ君に忠告しにきただけ、」

「忠告?」

すると目の前に居たはずの男が居ない。
代わりに首筋に金属の感触。

どくん、

「そう、忠告。」

すぅっと男の纏っていた空気が一気に冷たいものへとかわる

「俺のシズちゃんにもう二度と近づかないでね、」


ゾク、

振り返ったが男はもうすでにそこには居なかった。





ろっちー初登場…!!
キャラが迷子です!
臨也が若干ヤンデレ^^


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