小説 | ナノ

「やだなぁ、あのおっさんのとこ行くの」
「こうなった以上仕方ねぇだろ」
「そうだけどさぁ、あ。そうだ折角シズちゃんになったんだからやることやっとかないとねぇ」
「あ？自販機なら投げんなよ。あれ壊したことバレると弁償なんだからよ」

それはそれでシズちゃんが困るならおもしろいけど

「違うよ、もっと俺に重要なこと。あ、ちょっとシズちゃん俺の携帯ちょうだい。てか手荷物だけは交換させて」

といっても静雄はほぼ手ぶらだったが

「携帯なんか俺じゃなくてもいじれんだろうが」

「ちっちっわかってないなぁしずちゃんは。じゃ、ちょっとトイレいってく

「まて。なんで携帯がいるんだ」

「そりゃもちろんしずちゃんのあられっもないあんな姿やこんな姿を写真に収めるためぶっ！！」

「死ね変態絶対にいかせねぇぞ」

「いてて、しずちゃんでもやっぱ痛いことはいたいんだって俺から血でてるー！」

見れば静雄のあごに頭突きをした臨也の額からは赤いものがつたっている。

「…いてぇ」

「あたりまえでしょ。俺は一般人なんだから。てゆうかどんだけの力で頭突きしたのさ
しずちゃんの体じゃないんだから大事に扱ってくれるかなぁ。まぁしずちゃんに力加減なんて器用なことできるとも思わないけどさぁ」

いらっ

がぶっ。

「ってうをー！なにしてんのしずちゃんやめて！俺の腕噛むのやめて！
てる！でてるから血が、俺の手だからソレ！ごめんなさいほんとにもうトイレとか言わないから」

ピンポーン

「はいはーい、」

誰だろうこんな夜中に。新羅は眠い頭を起こして玄関へと向かう

「どちらさまって・・・・・・・え？」

みるとそこには額と腕から血を流している臨也と

困ったような顔をして立っている静雄がいた。

まずこの二人が一緒に訪ねてくるなんてことはいままで一回もなかった。

さらには静雄が臨也と一緒に居るのに怒っていない。

そして臨也がけがをしている。

「・・・・・・・とりあえず、止血をしよう」

「…で？なにが一体どうしたって？」

セルティとゆう奇跡を幼いころから体感しているからか新羅はちょっとやそっとのことでは驚かない。

うんたらかんたららららら

「へぇ、じゃあ俺の目の前に居る臨也は静雄でそこのイスでくるくる回ってるのがほんとの臨也ってわけ？」

「そうゆうこと～」

にわかには信じられなかったが静雄はイスに座ってくるくるまわるなんて鬱陶しいことはしない男だ。

俺を驚かせるために臨也と手を組むなんてこと絶対にしないだろうしね。

「で、その原因が親父ってことか」

はぁ、とため息をつくとちょっと待っててと言ってどこかに電話をかけている。

おそらく新羅の父、森厳に連絡をとっているのだろう

「ねぇ、シズちゃん、もしこのままもとに戻らなかったらどうする？」

「そんなこと考えたくもねぇ」

「だよねぇ、だってこのままじゃシズちゃんをかわいがってあげられないもんね」

「うぜぇ。俺は朝飽きて毎日この顔を拝まなきゃいけねぇなんて絶対いやだからな」

「ひどいなぁ、俺自分でゆうのもなんだけどいい顔してると思うけどなぁ」

「……」

静雄があきれ返って言葉も返せないでいると新羅が戻ってきた。

「なんとか連絡がついたよ。なんでもあの中にはいってたのは開発途中の薬で解毒剤がまだできあがってないらしい」

「臨也、いや静雄か。そんな絶望的な顔しないで。今から父さんが試作中の解毒剤もってくるって」

「試作中…？それ大丈夫なのか？」

「うまくいけば戻れるらしいけど、下手したら悪化もしくは副作用かなんかがでるかもしれない」

「まぁ、これ以上悪化することはないか…」

「ひっどいなぁシズちゃん！俺になりたくてもなれない奴なんて五万といるよ？」

「うるせぇ。疲れたからちょっと寝てくる。新羅、部屋借りる」

「あぁ、到着までまだ時間がかかるらしいからしっかり休んでなよ」

「…で？臨也、なんでこんなことしたわけ？」

「あっはぁ、やっぱばれてた？」

「当たり前だろ、最高セキュリティのネブラからあの薬品を持ち出せる人間なんて限られてるよ」

「理由をきかれればまぁ暇つぶし、って答えるしかないかな」

「…はぁ、まったくお前は。ほんとに戻れなかったらどうするんだい？」

「その時はそのとき、楽しみが増えるだけさ」

静雄に似合わない”反吐が出る”そんな笑顔でそう答える臨也。

やれやれ、静雄もやっかいなのにすかれちゃったよなぁ。

いざやのキャラが崩壊してきている。
しずちゃんは加減てもんができないと思うんだ^^