エビフライの話その後今日はトムさんが、俺のためにエビフライを作ってくれるというので早速トムさん宅にお邪魔している。 リビングの小さなテーブルの前で正座しながら、そわそわドキドキわくわくしながら待っているのだが一向に出てくる気配はない。 台所からは、揚げ物の良い香りが漂い、鼻歌交じりのご機嫌そうなトムさんの声が聞こえている。 俺の目の前には山のように盛られた白いご飯、温かそうに白い湯気を出しているワカメの味噌汁、そして牛乳。 涎を垂らしながらまだかまだかと待っていると、ようやく調理が終わったようでトムさんの方から煙草の匂いが漂ってきた。 トムさんは料理してる間は絶対に煙草を吸わない。俺は別に構わないのだが、トムさんなりのけじめらしい。 どっちにしろ俺にはそのような話はよく分からないので、どうでもいい。俺はエビフライが食えればいい。しかもトムさんの手作り。 「ほい、静雄出来たぞー。たんと喰えな?」 「っす、有難うございます」 ドン、とテーブルのど真ん中に大量のエビフライが置かれた。 嗚呼これは明日胸やけするだろうか。そんな事を思っている俺はすでに全て完食する気満々である。 だってトムさんが俺の為に作ってくれたもの。残すはずねーだろ。 「んじゃ俺飲み物の準備すっから台所戻るな。焼酎水割りでいいだろ?」 「うす、濃いめでお願いします」 「おめー酒強ェからなぁ。先喰って待ってろ」 「はーい」 トムさんの家にはタルタルソースが完備してある。もちろん俺のエビフライの為だ。 俺は目の前に用意された山盛りのエビフライをじっと見る。トムさんが、俺のために、俺のためだけに作ってくれたエビフライ。 穴があいてしまうたすけてぇ、と思わず悲鳴が聞こえてしまうぐらいに見つめる。 すると、何を思ったのか思考回路がおかしな事になった。自分は、エビフライに、欲情、して、いる、よう、だ。 とりあえず一本箸で摘み、もふっと口に含む。モキュモキュと半分ほど食べながら再び山盛りのエビフライを見る。 (…これ、入っかな) エビフライを口に含みながら箸をテーブルに置き、自分のズボンをずるりと思い切り下げて四つん這いになる。 …俺は何をしているんだろう。でも、止められない。何故だ、何故こんなにエビフライに興奮しているんだ? トムさんが作ったから?トムさんが一から、エビの皮を剥いて、茹でて、小麦粉を揉み付けて、卵に浸して、パン粉にまぶして、油で揚げてしまったから? 違う、俺は…、トムさんにべたべたと沢山隅々まで触れられてしまったエビに、嫉妬しているんだ。 そう考えたら頭がすっきりして、俺は山盛りになっているエビフライをひとつ掴んで自分の尻に構える。 全然慣らしてないし、衣が痛そうだけど…挿れたいんだから、しょうが、ねぇ…よな…。 ザリ、と肛門にエビフライの衣が当たる。その摩訶不思議な感覚にぶるりと身体を震わせた。 先端を少しだけ挿れてみる。痛さの方が強かったが、なんとかいけそうだ。 さらに挿入を試みてみようとエビフライを持ち直すと、後ろから驚いたような半笑いのような呆れた声がかかった。しまった、トムさんの存在を忘れていた。 「ちょッ、おまッ、何してんだ静雄!」 「…ッぁ、とむ、さ…」 「エビフライなんかケツに入れるんじゃねーよ!何血迷ってんだ」 「だってこれ…、トムさんが、つくった、エビフライ…いっぱい、触ってた…エビ…」 「…なにお前、エビに嫉妬とかしてんのか?馬鹿か、本当お前馬鹿だな、こんな事しなくたって構ってやるからさっさと抜けよそのエビフライ」 「嫌です、いや、ぬくの、いや…ッ」 何故俺は此処まで必死になって拒んでいる。あーもう飯どころじゃなくなってしまった。 でもどうしようもなく、俺はエビフライに嫉妬、そして興奮を覚えている。 すると何やらトムさんが閃いたようで、俺の事をやらしそうな瞳でひとしきり舐めまわすように見つめてから、俺の尻に刺さっているエビフライを掴んだ。 「じゃあおじちゃんが、ちょっくらエビフライで遊んでやろうな」 「え、ぇ…ッ、や、ぁンッ‥、とむさ、うごかさ、な‥で…ッひん、」 「静雄〜、あんま力いれっと、エビフライ折れちまうぞ?」 「そ、な事言われて、も‥ッ、んー…ッ」 ず、ず、とエビフライが緩やかなピストンを紡ぐ。 その度に俺の身体はびくびくと震えて、快楽に耐えきれず身体を支えきれなかった腕は、あっさりと崩れ落ちた。 ただエビフライを動かされているだけなのに、トムさんに犯されているような錯覚に陥る。 口端からはだらしなく涎を垂らして、俺ははしたなくもっともっと、とトムさんにせがんだ。 「…ッ、とむさ、も、俺…ッ」 「静雄、はやいって、まだ俺の入ってねーだろ、一旦抜くぞ」 「うぁ‥!あ、とむ‥さ…、ぁ…はやく、挿れて…お願い…ッ」 俺の穴から勢い良く引き抜いたエビフライを、トムさんはむしゃむしゃと食べながら俺の後ろにのっしりと身体を寄せた。 いわゆるバックってやつだな。後ろの方でカチャカチャとベルトを解く音が聞こえる。 ピトリ、とトムさんの先端が当てられると俺はもう我慢できなくて、穴をぱくぱくと開閉させた。 お願いします、それを、その熱いのを、はやく俺にぶち込んで下さい。 何も考えられなくなっていた俺の残念な頭は、尻に入ったエビフライをトムさんがさりげなく平らげてしまった事をまったく気にしていなかった。 「はーい、トムさんが入りますよ〜、っと。…ふ、」 「‥ァ、あッ、あ…−ッ…!…とむさ、あつ、熱い…、」 「慣らしてねぇのに、結構すぐ入るもんなのな…ッ、くッ、締まる‥!」 「ひぁ、あ、も、とむさ、もっと、乳首もさわ、って、おねが、あッ」 「淫乱だな…静雄…そんなとこが可愛くてしょうがねぇんだけどよ、俺はッ」 ずちゅずちゅと卑猥な音を響かせながら俺ははしたなくあんあんと喘ぐ。 もう羞恥心なんてとっくに消え去っていた。折角の久々のバックだしと、のっしり俺の背中に乗っかったトムさんに乳首を触れとせがむ。 俺は乳首いじられるんのも好きだし、後ろから挿れられんのも好きだし、バックが好きなのだ。 大好きなトムさんに乳首をぐりぐりされたりゆっくりと指でなぞられたりしたらもう、俺のチンポはガチガチに勃起してどうにかなりそうだった。 「と、む、ッさ、俺もうッ、イきそう…!」 「おー‥、俺も…ッ、出す、ぞ…ッ、うッ」 「アッアッ、ひぁ、も、だめ…ぇ…ッ!」 片方は乳首、片方は俺のチンポをがしがし扱かれて、俺はあっという間に上り詰めてしまった。 はぁはぁと息を乱しながらそのままごろりとその場に横になる。 トムさんの掌に受け止められていた精液は、現在しっかりトムさんがティッシュで綺麗に拭いている。俺はもう駄目だ。動けない。 なんかもう、気持ちよすぎた。エビフライに欲情とか変態すぎじゃねーか俺。どんどん変態度が増してる気がする。 一度達して頭がクリアになると、そういえばと先程突っ込んで遊んでいたエビフライの事を思い出す。 「あれ俺、突っ込んでたエビフライ…」 「ん?エビフライ?嗚呼、俺が喰っちまったけど?」 「…うわ‥ッ」 そ、そそそそんな、いつの間に食べたの。いつの間に食べちゃったんすかトムさん俺全然気付かなかったですよ…。 俺の穴に突っ込んだエビフライですよ、汚いですよ、病気になっちゃいますよ、吐き出してください今すぐ吐き出してさぁ今! たまらず俺はゴロゴロとその場で身体を左右に転がしながら、地団太を踏んだ。 (実は俺も、遊び道具に選ばれてしまったエビフライに嫉妬したりしたんだぞ。気付かないだろうけどなこの気持ちに、静雄は) end. since.2010.05.02 なか どうしてこうなったし。 |