スノーキャンディ今年も残りあとわずか。 最近は仕事も互いに忙しく、帰宅時間はいつも別々だった。 帰って来てもお互い別々に食事してお互い別々に就寝、そして起床してまた仕事。 サンジとゾロは恋人同士にも関わらず中々会話も出来なく、仕事も別々で会える機会も失い、もちろんキスや夜の営み、デート…ありとあらゆることが仕事により犠牲になっていた。 だが今日は珍しく、帰る電車が同じだったことで、一緒に同棲先のアパートへと帰宅する事が出来た。 へとへとになり帰宅したのは深夜12時過ぎ。サンジが鍵を開け、ゾロを先に入れる。 その時サンジは、玄関の鍵をきちんと閉めた。 「サンジ…」 「ゾロ……」 互いに向かい合い、どちらからともなく軽い触れるだけの口付けを交わす。 自然だった。 自然とその場には官能的な雰囲気が流れ、それからの二人は止まらなかった。 キスなんで何ヶ月ぶりだろうか?体をまじあわせるのなんて、最後にしたのはいつだったろう? それほど久しぶりの行為に、二人の体には簡単に火がついた。 いくつかぶりに体も熱を取り戻して、普段はサンジにまかせっきりなその行為も、今日は違った。 ゾロが、積極的過ぎた。 「ゾロ…ッ」 「ン…、ふ‥ァ」 軽い口付けは体の熱が上がると共に、確実に卑猥さを増してゆく。 サンジが床にゾロを組み敷く。 ゾロは心なしか潤んだ瞳でサンジを見つめた。 「サンジ…床寒ィ…」 「ごめん…でも、もう止まんねぇから」 「大事な時期なんだ。風邪でも引いたらどうする」 「俺が優しく看病してやるから安心しろ」 「…アホ…」 ゾロの体を包み込むようにサンジが抱き締めた。 床から来る直接的な冷たさから逃れたゾロは、余裕が出てきたのかくすりと笑った。 サンジもそれにつられて笑い、左手は腰を抱き締めたまま、右手はしっかりと手を握り合いながら再びその愛する人の頬に自分の唇を押し付けた。 「ゾロ、好きだ…」 「……俺もだ、サンジ。サンジ、なぁ、もっと…」 柄にもなくゾロは酷く興奮していた。 甘く深いとろけるような口付けを交わしながら、ゾロはサンジの太股に自分の股間を押し付けた。 口付けでそこまでなったか、気づくとそこはしっかりと己を主張している。 丁寧にも、下着からズボンへ、と先走りの液がじわりじわりと滲み出していた。 珍しく余裕のないゾロに優しく微笑み、そんなゾロに自分も興奮しまくりながら、サンジはその膨らみへと手を伸ばした。 カチャカチャとベルトを外して前のジッパーを降ろす。 すでに盛りきったゾロ自身を取り出しゆっくりと握り込んでやる。 それだけで小さく声を漏らし、快楽を求めてかゾロの腰は僅かに揺れていた。 先走りの液の滑りを借りて、くちゅくちゅと卑猥な音を立てながら手早く手をスライドさせる。 「最近…抜いたか?」 「…ッ、ハァ‥、そんな暇、なかった…!」 「だからこんなに早いのか?まだイくなよ、久しぶりだしな」 「…や、だ‥ッ、出してぇ…ッ」 駄目だ、そう呟いてサンジはゾロ自身の根本をきつく握る。 そしてワイシャツのボタンを解いて前を開き、すでにぴんっと勃っている突起に吸い付いた。 突起の周りを舌先でねっとりと嘗め回してから、小さな可愛い中心をチロチロと愛撫する。 ゾクゾクッと体を震わせ、鳥肌がたつ。 面白そうに反応を見ながら、今度はそこをカリ、と甘く噛んだ。 その瞬間ゾロは仰け反り、腰を淫らに揺らす。 物欲しげな眼差しでじっとサンジを見つめている。 まだ、だめだ。 すぐにでも繋がりたい衝動を抑えながら、しつこく突起を愛撫する。 「やぁ…ッ!サンジッ…、ァアッ!」 「すげぇ綺麗だ…ゾロ、一回イかせとくか」 「ッ…ァ、うッ…イくッ!」 お許しが出たことに安堵の溜息を漏らし、こくこくと頷く。 激しく突起をいたぶられながら、塞き止められていた枷は外され動きを再開する。 自身をスライドしているスピードも増してゆく。 あっけなくゾロは、情けない声と共に数ヶ月ぶりに欲を吐き出した。 「ッはぁ…ハァ‥」 「うっわ、ドロドロ。量も多い…ほっぺまで飛んでるぜ」 「……しかたねぇだろッ!…抜く暇なかったんだから…」 「赤くなっちゃってかわいー」 「俺が可愛い?お前病院いけ、精神科」 「ひど!なんで精神科?!」 先ほどのゾロのようにくすりと笑いながら、今度は閉ざされた蕾へ指を伸ばす。 しばらく使われてなかったそこは、明らかに固く指の侵入を拒絶していた。 「ゾロ、固くてはいんねぇよ。自分でやってみろ、冗談だけど」 「…ぅん、」 「ちょっ、冗談で言ったのにほんとにやるし…」 冗談をまともに受け取り、ゾロはそっと自分自身を持ちゆるゆると扱きはじめる。 先走りが垂れてくるとそれを指先に絡め、穴にゆっくりと押し込んでゆく。 その光景が酷く美しくて、サンジは露骨につばを飲み込んだ。 もぞもぞと体を動かしながら、指を推し進めてゆく。 付け根まで到達すると、今度は指をくるっと回してみる。 自分のイイトコは認知しきっている。 ゾロはその指が自分のポイントに当たったのか、びくんっと肩を震わせ小さくうわずった声をあげた。 「ゾロ…生々しすぎてエロい」 「ッん‥、ふ…ぁンッ」 はあはあと否らしい息遣いが玄関に響き渡る。 しばらくして穴がほぐれたのか指を引き抜くと、ゾロは起き上がりサンジを見つめた。 「サンジ…挿れろ」 「…分かってるって…我慢できねぇ」 「って!うあ、ちょ、何だ…ッ?」 「可愛イ…。これ、好きだろ」 「いやだッ…、早く、イれろッ、」 「はいはい」 イれてやる、と穴にぴとっと自身の先端を当てがったはいいものの、サンジ自身の先端も先走りでぬめっていて、穴でぬろんぬろんと滑った。 それに感じたのかゾロはなみだ目でしがみつく。 そしてさらに早く、と催促されてサンジも微笑みながらズズイと腰を沈めてゆく。 久しぶりの温かさ、締め付け、快感にサンジはたまらず身震いした。 それはゾロも同じで、サンジ自身が侵入して来るとその心地良さ、太さ、体温に酷く感じて一度達したとは思えないほど自身は再び限界まで張り詰めていた。 「ゾロ…全部入ったぜ」 「…早く動け…ッ、サンジィ…!」 「ずいぶん積極的だな」 くすくす笑いながらも、一定のリズムを刻みながら腰を打ち付けてゆく。 それは段々と激しさを増し、ゾロの腰をがくがくと揺さぶった。 互いに限界へと近づいていく。 あまりの気持ちよさにゾロは失神寸前だ。 「ぁあッ、んあ、はあッ‥ッァ!きもちい、サン、ジッ!」 「俺もッ、最高だ、…ゾロ、好きだ」 「ッあ、俺も…すきだッ…はぁッ、また出ちまう…!」 「俺も出そうだ…、一緒にイくぜ」 「…ッぁあー‥、イく‥!」 「ッく、」 どぷっ、と互いに欲を吐き出した。 ゾロは自身のおなかに、サンジはゾロの中に。 そしてしばらく余韻に浸った後、二人で顔を見合わせ恥ずかしそうに笑い、後処理をして着替えをし、ベッドに入る。 「…サンジ‥、きもちよかった…」 「おいおい素直だなぁ、課長さん。俺も久々だったしな、すげぇ興奮した」 「ガキだな、サンジは」 「ゾロだってすげぇ興奮してたくせに」 「…ばれてたか」 乾いた笑い声が響く。 ゾロはサンジに腕枕されながら、サンジはゾロを空いた片手で優しく抱き寄せながら仲良くまどろんでいた。 こんな時間を過ごすのはいつぶりだろう。 またそんな事を考えながら、サンジはゾロの髪の毛を優しく撫でた。 「あ、俺明日休みだ」 「……奇遇だな、俺もだ」 「マジ?よし、じゃあデートでもすっか」 「…いいけど、昼過ぎからな」 「なんで?」 「最近寝てなかったからすっげぇ寝てぇ…。お前もだろ」 「……おおせのままに」 「何だよそれ…。俺が我侭みてぇじゃねーか」 「我侭じゃん」 「ちげぇ」 「…はいはい。明日に備えて寝るとするか」 「ん…サンジおやすみ」 「おやすみ、ゾロ」 二人で一緒に、深い眠りへ堕ちてゆく。 同じ夢を見れたらいいな、なんて馬鹿な事を思ったりして。 ようやく恋人らしさが戻った二人は、寄り添い幸せそうに眠る。 窓の外では、もう雪がちらちらと舞い降りていた。 end. since*2007.01.21 水沢 |