ありのままの姿



今まで、こんな気持ちになった事なんか一度もなくて。
授業中だというのに授業は上の空、時計ばかり気にして前を見ていた。
体が熱くて仕方ない。早く、大好きな栄口にどうにかしてほしい。

(早く放課後になれ…!)

形だけの、シャープペンシルをギリリと握り締めると、熱い吐息が零れた。

無機質な、授業を告げるチャイムが鳴り響く。
意外と大きなその音に肩をビクリと震わせると、俺は栄口のクラスへと駆け出した。
午後の授業はもう無い。それに、部活はミィーティングだけのはず。
気持ちだけが大きく先走って、廊下を歩く姿が若干前かがみになる。恥ずかしい。
ようやく教室の前に辿りついて目的の姿を見つけると、中にズカズカと入り込み腕を掴んで連れ出した。
二人だけになれる場所ならどこだっていい。
「ちょっと!」と驚く栄口を無視して、きょろきょろと空き教室を物色する。
上を見上げると、札に書かれていたのは家庭科準備室。

(ここでいいや…)

鍵が開いている事を確認すると、その中に栄口を押し込んで自分も入った。
後ろ手でガチャリと鍵をかける。
勢いあまってしりもちをついた栄口の前にしゃがみ込むと、「さかえぐち…」と一言呟いてその唇に吸い付いた。

「水谷…ッ?ン、ちょ…ッ」
「‥ふァ、さかえぐち、さかえぐち…ッ!」
「…ッ、」

思ったよりも甘く切ない声が出て、自分で驚いた。
突然のキスに、栄口は一瞬動揺したように見えたがすぐに自分からのキスに切り替えて、俺の最後の力を奪っていった。
差し出した、互いの舌を絡め合うたび、くちゅり。とリアルな音が漏れる。
その音にすら興奮していると、栄口のほうから唇を離す。
ゆっくりと唇を離すと、つぅ。と唾液の糸が後をひく。
お互いの口端から、唾液がとろりと零れた。

「…なに、一人で興奮してんのさ」
「わかんな…ッ、さかえぐちぃ、…熱いんだよ、‥抱いて。ねぇ、抱いて…?」

縋るような目で栄口を見つめると、呆れたように溜息を吐かれたがそんなことはどうでもよかった。
今すぐ栄口の、あの大きくて太くて熱い、チンポが欲しい。
座り込んだままの栄口の足の間に体を割り込ませると、もどかしげにズボンのチャックを下ろす。
下着を少しずらして取り出した栄口のそれはまだ半勃ちで、先端にぱくりとかぶりついた。
「ッぅ、」と頭上から熱っぽい声が零れる。
それが嬉しくて、先端を丁寧に舐めまわした後、竿の下からねっとりと舐め上げた。

「うまいよ…、きもちい‥みずたに」
「ンふ…。はァ、さかえぐちのちんぽ、おいしい・・ッ。早くほしいよ…」
「あげるから、ちょっとズボンおろして、おしりこっち向けて?慣らさないとね」
「慣らさなくてもいい、痛くてもいいから、早く、早く挿れて…!」
「…なんでそんな焦ってるのか知らないけど、水谷が痛いのは俺が嫌なの!」
「ふぇ・・っ」

折角欲しかったものが手に入ると思ったのに、道のりは遠くて思わず涙が出た。
栄口が優しいのは嬉しいけど、俺はそんな場合じゃないの…!

(早く突っ込んで、かき回してほしくて仕方ないんだよ…っ!)

無理矢理涙を引っ込ませて、自分でズボンを脱ぐ。
パンツまでも取り払ってしまうと、四つんばいになって栄口にお尻を向けた。
栄口に、自分がどんだけやらしいカッコを見せてるかなんて今の自分には判断がつかない。
それぐらい、俺は切羽詰まっていた。

「水谷、指いれるよ」
「…ん、んぁあッ‥!」
「痛い…?」
「痛くない、から…ぁ、もっといっぱいぐちゅぐちゅしてぇ…!」
「…ふふ、水谷ってばやぁらし」
「あ、あっ・・、そこ、きもちぃ…ッ」
「ここ?」
「ん、そこッ、そこぉッ…!」

長い指で内部をかき回され、前立腺に指の腹がヒットする。
そこばかりをぐりぐりと擦られて、俺のチンポはもう限界だった。
じれったくて、自分の手を伸ばして自分のチンポをゆるゆるとしごく。
先っぽを人差し指でくちゅくちゅといじっていると、栄口に笑われた。

「我慢できなくて自分でいじってるの?…可愛い」
「…ッだって、さかぇ‥ッぅあ!そこだめ!も、ぁ、でちゃ‥ッ、」
「まだイっちゃ駄目でしょ、指三本入ったから挿れるよ。水谷こっちおいで」
「ふぁ‥、挿れてくれるの…?やったぁ…っ」

ちょいちょい、と手招きされて、うっとりと栄口を見つめながら膝をついて近づいていく。
あぐらをかいた栄口の上に座るように指示されると、俺は栄口の背中に両腕をまわして跨り、
栄口のチンポを自分の中に沈めていった。
ずぷずぷとあまりにもスムーズに入ってゆくものだから、中が満たされるその感覚に我を忘れて目の前の栄口に縋りついた。

「んぁ・・、ァアッ…!」
「全部入ったよ、水谷…」
「はぁ…、さかえぐちィ・・、おっきくて、きもちぃよぉ…ッ」
「…ほんと、どんだけ俺の事煽る気なの?お前。…動くよ」

そう呟いてからの栄口はすっごい激しくて、死ぬかと思った。
栄口は一回もイってないのに、俺は何回もイかされた。何回イかされたかわかんない。
大好きな奥を、栄口ので思いっきり突いてもらえて、声が抑えられなかった。

「アッアッ!さかえぐちッ、はげしッ!…ッ、もうイく!イくー…ッ!」
「俺ももう出そう…ッ、中で出すよ、みずたに…ッ!」

俺の中に栄口の精液がどぷりと注ぎ込まれる。
その瞬間俺も、もう何度目か分からない絶頂を味わう。
ここは学校だというのに、と頭の片隅でそんな事を思いながら。
俺の体は満たされたのだった。

「さかえぐち、すきだよ」


end.

since*2008.01.19

書きたかったもの→ガン堀りしてほしくてしかたないフミキ。

水沢
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