源内症候群



きょろきょろと辺りを見回す。
コウメイとチンクはどこかへお出掛けしに行ってしまったし、源内はつい先程競馬にいくと言ってアジトを出ていった。
ふと、ソファにある物を見付ける。
……源内愛読の、競馬新聞だ。

「源内のアホ‥。一番大事な物忘れてるやん……………、」

またあたりをきょろきょろ見回してから、その新聞をきつくきつく抱き締める。
源内の物。源内の香り。
そう思うだけで、ドキドキしてしまう。

「源内‥源内ぃ‥」

急に一人ぽっちが寂しくなって、僕は源内の名前を呟きながら源内のベッドに潜り込んだ。
僕っておかしいんかな‥?源内の毛布にくるまったら、めっちゃドキドキして…体が熱くなる。
源内の匂いがする‥ほろ苦いコーヒーと、煙草の匂いが混じって‥。
もう僕の頭の中にあるのは、源内しかなかった。
大好きなおかんも、今日の夕飯のおかずも、全部この時だけは消えて‥。
思い浮かべるのは、優しく僕の名前を呼んで微笑んでくれる源内の姿。

「げんなぁい‥、ぼく‥、おかしくなるよぉ‥」

体中が熱くてどうしようもなくて、どうにかする方法を考える。
でも‥誰か帰ってきたらあかんし‥かと言って、源内のベッドからは出たくないし‥。
迷った末に出した結論は、やはり…………。

……もう三度、辺りをきょろきょろしてみる。
よし、誰もおらんな‥。
細心の注意を払い、僕はズボンの中心に手を伸ばした。

「‥ッんぅ…、ぁつ‥ぃッ」

源内の毛布を抱き締めながら、ズボンの上から自身をなぞる。
今までにはないくらいそこは熱く堅くなっていて、びっくりした。
誰かにせかされるようにジーパンのチャックを開ける。
それからズボンとパンツを膝までずり下げて、そっと自身を握りこむ。
そこからの僕はとまらなくて、何度もチンコを擦って源内の名を呼んだ。

「はぁッ‥げんなぁ‥、げんなぁぃ‥んんッ!」

我慢汁が溢れ出す。そのぬめりを借りて、またチンコを素早く擦った。
‥げんなぃ‥乳首触ってほしいよぉ‥
刺激が足りなくて、僕は水色のシャツの上から乳首をくにゅっと押し潰した。

「あぁッ!‥ッぁ、げんなぃッ…いっぱい触ってぇッ‥やぁんッ!」

無意識のうちに乳首を摘み、太股を開いたり閉じたりしながら、僕は絶頂を目指す。
源内に触られてると思うとますます感じてもうて、息は荒く涙がにじんだ。

「んゃ‥ッ!もう出ちゃうッ!げんなッ‥、はぁあッ…!」

ぱたッ‥ぱたぱたッ‥。
最近ご無沙汰だったようで、濃くて臭いのきつい精液は源内の毛布を汚した。

「‥はぁ‥はぁ…、げんなぁい‥すき‥」

あまりにも気持ちよくて、僕はチンコ丸出し、後処理もせずそのまま源内のベッドでねてしまった。

* * *

数時間後、僕は源内に起こされて目を覚ました。

「おい‥セミマル…セミマル‥ッ」
「んぅ‥ぁ、源内おはよぉ‥」
「おはようあるか!何やねんこれは」
「ふぇっ‥?」

あらびっくり。
僕が〆〇♂∞℃¥$★@☆してたことバレバレやん!!源内怒ってるやんな‥。
ちらっ、と源内の顔を見つめてみる。

「ごめんなさ‥源内が最近構ってくれなくて寂しかったから…一人でしちゃった‥」
「‥かわええ奴やな‥でも、あいつら帰って来たらびっくりするやろし、着替えてきなさい」
「はぁい‥。‥ねぇ源内‥怒らへんの?」
「なんで怒らんといかんの?嬉しくて顔にやけるわー」
「へっ?」
「こんななるまで放っておいてごめんなぁっ?したい時はちゃんと言いやぁ‥」

源内は優しく微笑んで、僕を抱き締めてくれた。
めっちゃ嬉しくて、僕もぎゅうっと源内に抱きついた。
そして耳元でこしょこしょっと囁いてみる。
………今夜は激しくしてなっ?
僕はその瞬間ベッドに組み敷かれ、何度かわからないぐらいイかされたのであった。



END.

SINCE*2005.10.01
水沢
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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