2日目
女は音のした方へパタパタとかけていく。
「おっす、夜那!」
訪問客はどうやらあの女と同じ年頃くらいの女らしい。
口調からして、友人か。
「あぁ…おはよ」
「えっちょっと今の反応なに!?いつになく冷たくない!!?」
この和室から玄関へはかなり距離があるようなのだが、2人共元来の声が大きいのか会話が筒抜けだ。
「別に。ってかあんたこそ何?」
俺に対する以上に冷たく辛辣な反応に、あの女がまだ底を見せていなかったのを確信する。
「いやあの、ご飯を恵んd
「なに?ここはあんたの餌やり場?」
すんまっせん!!!!」
‥‥これは本当に友人か?
俺が言うのもなんだが、この2人の関係は世間的に言われる友人とは少し違う気がする。
明らかに上下関係が見える。
勿論、ここの家主が上だが。
「って、あああっ!!!」
「何?」
「遅刻しちゃうっ!
ほら、夜那も急がなきゃ!!」
「残念。今日は1限空き」
「あっそっか!じゃあ、チャリ貸して」
「駐禁取られたら切腹な」
その程度でか!?
ウチのボス並みに傍若無人だな。
「了解!絶対取られません!!!んじゃーね!」
「ん。いってらー」
お前も納得するんじゃねぇ!
そんな心の叫びが届く事はなかった。
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※1限空きとは?
大学や一部の高校では時間割を自分で作成します。
すると授業の入らない時間が出来ます。
それが"空き"
今回の場合、夜那さんは1限に授業が入っていない、という事になります。
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