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その報せは、任務完了の報告と引き換えにやってきた。
「イェーガー元帥が、亡くなった……」
それは、新たな敵勢力の出現を意味していた。
『エクソシストには4チームに分かれて、元帥の護衛をしてもらうことになった。
梓はティエドール元帥のチームに入ってもらう。
神田、マリ、デイシャと一緒だな。』
淡々と説明するリーバーさんに、思わず口を挟む。
「ティエドール元帥?
確かに最初にお世話にはなりましたが……
どなたの指示ですか?」
『最終的には室長だが、ブックマンから要望があったと聞いているぞ。
ちなみにブックマンとラビは同じ理由でクロス元帥のチームだ。』
なるほど、ブックマンの要望なら何か理由があるのだろう。
「了解です。最短の合流経路は?」
『3人はもう合流してそっちへ向かってるから、梓はそこで待機だ。』
任務のために宿は取ってある。延長させてもらえば問題ないだろう。
「わかりました。お忙しいのにわざわざご連絡ありがとうございます。」
『本当は室長から直接話せたら良かったんだがな。』
リナリーの元へと飛び出していってしまった、と苦笑いするリーバーさんに、憐憫を覚えた。
「私はリーバーさんと話せて良かったですよ。
しばらく会えないみたいですし。」
話の大筋はわかっているから、むしろコムイさんの代わりにリーバーさんと話せてラッキーとすら思っている。
リーバーさんには"こちら"へ来る前から憧れていたから。
話す機会もそれほど多くはないし。
『ははは、そりゃよかった。
じゃあ、気を付けてな。』
「……はい、ありがとうございます。」
見事に躱されたなあ。
まあ、彼とどうこうなるつもりはないけれど。
さて、ブックマンが私に何をさせたいのかはわからないけれど、とりあえずティエドール部隊の道程を記録しておいて困ることはないだろう。
「帳面でも仕入れに行きますか!」
分岐点
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